戦う“セレブ”が家族愛をパワーに変え、見事勝利を掴み取った。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2020」セミファイナルシリーズ、4月26日の第2試合でTEAM雷電・黒沢咲(連盟)がファイナル進出の可能性を残す貴重な勝利を挙げた。
この試合の対局者はKADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)、黒沢の並びでスタート。第1試合で瀬戸熊直樹(連盟)が3着、後がないチーム状況でトップが至上命題となった黒沢は、ウェーブがかったロングヘアを後ろに束ねたポニーテールで登場した。おしゃれなアレンジもこの舞台においては高まる気合いの表れだ。
試合が動いたのは東2局3本場、供託のリーチ棒が2本と、1度のアガリの価値が高くなった場面。二階堂がまず仕掛け、それに沢崎も続く。黒沢はドラは5索ながらソーズの下目が良しとみるや、3索待ちの七対子をダマテンに構えた。そこに多井もメンゼンでテンパイ、全員がテンパイを果たす白熱した展開に。
誰もがアガリをモノにして、序盤戦を制したい。その思いが拮抗する展開で、黒沢が引いてきたのは前巡の選択バッチリの3索だ。ツモ・七対子・赤・ドラ2の1万2000点(+900点、供託2000点)をゲットし、頭一つ抜け出した。この中継の解説を務めていた土田浩翔(最高位戦)は思わず絶句、その後に「美しい局だった」と4者の技巧と思いがぶつかった名局にうっとりしていた。
南場に入ると、ライバル3者は黒沢を猛追。次々に襲い掛かるリーチを受けて黒沢は必死に守る。南4局は多井のアガリで点棒が横移動、黒沢は今シリーズ個人単独の3勝目を獲得した。
アガリはわずか1回、跳満のリードを最後まで守り切った。インタビューに登場した黒沢は「とにかくトップと、監督やチームメイトから言われて出てきたんですけど、小さいトップで…」と、喜ぶのは早いとした一方で、「ギリギリなんとか耐えてトップ取れたので、次に繋がると思って、『良かった』と思おうと思います」と微笑んだ。
話題は普段よりアレンジを加えたヘアスタイルへ移り、黒沢は「主人が『たまにはポニーテールにしてたまには気合い入れていったらどうだ』って言ってくれたので、メイクの時に思い出して、それでトップが取れたので本当に良かったです」と語り、家族愛に満ちた優しい表情をみせた。リポーターの松本圭世から「愛のパワーですね!」と聞かれると黒沢は照れ笑いを挟んで「はい!」と一言。ようやくここで、いつもの“セレブ”スマイルが飛び出した。
試合を通じて手数には恵まれずも、跳満一撃で価値あるトップ。ライバルによる猛攻を抑え込み、逃げ切れた原動力は“ポニーテール効果”?これには視聴者も「いい旦那やね!」「愛は勝つからね」「旦那ラブ」「惚気ええぞ~」「ひゅーひゅー!」と祝福コメントを投稿していた。
【第2試合結果】
1着 TEAM雷電・黒沢咲(連盟)3万3400点/+53.4
2着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)2万9800点/+9.8
3着 EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)2万7100点/▲12.9
4着 KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)9700点/▲50.3
【4月26日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS +288.0(12/16)
2位 KADOKAWAサクラナイツ +273.3(12/16)
3位 赤坂ドリブンズ +77.7(12/16)
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +0.9(12/16)
5位 EX風林火山 ▲153.4(12/16)
6位 TEAM雷電 ▲155.8(12/16)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)







