まさにヒーローと呼ぶにふさわしい大活躍だ。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2020」セミファイナルシリーズ、4月27日の第2試合で、EX風林火山・滝沢和典（連盟）が同日2連勝を達成。“背水の陣”を掲げるEX風林火山がKONAMI麻雀格闘倶楽部を逆転し、セミファイナル最終日の2試合を残してボーダーライン上の4位に浮上した。
この試合の対局者はTEAM雷電・黒沢咲（連盟）、滝沢、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人（連盟）、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう（最高位戦）の並びでスタート。初戦でトップを獲得した滝沢が連投での出場となった。
3連続アガリで早々に主導権を握った第1試合とは打って変わって、第2試合の滝沢は東2局に平和のみの1500点をアガるも、続く1本場に鈴木に8000点（＋300点）を放銃する苦しい展開。それでも、この日の滝沢には決してバランスを崩さない安定感と、ビハインドを跳ね返すだけの勢いがあった。
ラス目で迎えた東4局1本場、滝沢は高打点の気配が漂う黒沢の仕掛けに一歩も引かず11巡目に3面張でリーチ。リーチ・ツモ・タンヤオ・平和・赤の8000点（＋300点、供託1000点）をアガって3着目に浮上する。なんとか親番をつないだ南2局1本場には、ドラの6索と場風の南のシャンポン待ちでリーチを敢行。山に2枚残った南を見事に掘り当て、リーチ・ツモ・南・赤・ドラ2・裏ドラの1万8000点（＋300点、供託2000点）で一気に4万4300点持ちのトップ目まで突き抜けた。
その後も大きな失点をすることなく対局を終えた滝沢は、第1試合のトップラスに続いて、ボーダーを争うKONAMI麻雀格闘倶楽部の佐々木と1着・3着という並びを作ることに成功。第1試合開始前の時点で約150ポイントあった差をひっくり返し、たった1日でEX風林火山をファイナル進出圏内の4位まで引き上げてみせた。
個人としてセミファイナル最多出場の7試合目、同最多タイの3勝目と、一戦一戦の結果が大きな意味を持つ短期決戦で大車輪の働きを見せる滝沢。チームの4位浮上にも「差はないのと一緒ですよね。楽にはなりましたけど」と気を緩めることはなく、ファンに向けて「ぜひ最後まで真剣に見ていただいて、楽しんでいただければと思います」と爽やかな笑顔で呼びかけた。
中継の実況を務めた松嶋桃（協会）が「まさしくヒーローインタビューでしたね」と水を向けると、解説の渋川難波（協会）も「ここでの連勝はとんでもないことですよ。本当に素晴らしかった」と脱帽。視聴者コメント欄も「マジ主人公」「カッコよすぎ」「ヒーロームーブが過ぎる」と大盛り上がりだった。ファイナルに進出できなければ、全3選手の入れ替えが行われるEX風林火山。「どうか風林火山ファイナルへ！」「なんとか残留させてくれ」といったファンの願いは届くのか、セミファイナル最終日となる30日の2試合に大きな注目が集まりそうだ。
【第2試合結果】
1着 EX風林火山・滝沢和典（連盟）4万3300点／＋63.3
2着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう（最高位戦）3万2200点／＋12.2
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人（連盟）1万4600点／▲25.4
4着 TEAM雷電・黒沢咲（連盟）9900点／▲50.1
【4月27日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS ＋288.0（12/16）
2位 KADOKAWAサクラナイツ ＋273.3（12/16）
3位 赤坂ドリブンズ ＋67.4（14/16）
4位 EX風林火山 ▲30.0（14/16）
5位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲67.4（14/16）
6位 TEAM雷電 ▲200.6（14/16）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
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