キュートな「ちゅも」の声が、デビュー以来5ステージ連続でのプラススコアという快挙への呼び水となったか。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2020」セミファイナルシリーズ、4月29日の第1試合で、渋谷ABEMAS・日向藍子（最高位戦）がトップを獲得。ファイナル進出のボーダーを争う下位チームを尻目に、安定感抜群の麻雀で颯爽と勝利をもぎ取った。
この試合の対局者はKADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳（連盟）、TEAM雷電・黒沢咲（連盟）、日向、KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大（連盟）の並びでスタート。東1局から、日向は「戦える手は押していく」とチームポイントの優位を活かし、岡田と黒沢の2軒リーチの間隙を縫って發・チャンタの2700点（＋供託2000点）のアガリをゲット。幸先のよいスタートを切ったが、その後は東3局に倍満をアガった前原が大きく抜け出してトップ目を快走する展開となった。
南1局1本場にもリーチ・ツモ・平和の2700点（＋300点、供託1000点）をアガったものの、南3局の親番を迎えた時点でトップ目の前原との点差はおよそ3万点。しかしここから日向は粘り腰を発揮する。11巡目にダマで満貫確定の3面待ちにこぎつけ、前に出るしかない黒沢からタンヤオ・平和・赤・ドラの1万2000点を直撃。さらに続く1本場には、実況の日吉辰哉（連盟）も「すごい手が来てますよ。なんだこれ！？」と驚くほど整ったソウズのホンイツ模様の配牌を手にした。
わずか4巡で1索・4索・中待ちの満貫をテンパイした日向は、リーチをかけた前原から1索を討ち取って東・ホンイツ・赤の1万2000点（＋300、供託1000点）。親の満貫2連発で逆転に成功してオーラスを迎えると、ここでも前原のリーチをテクニカルな七対子でかわし、七対子・ドラ2の6400点（＋供託1000点）で勝負あり。KONAMI麻雀格闘倶楽部とTEAM雷電にとってのセミファイナル最終日、本人いわく「いつにも増して緊迫した雰囲気」という状況下で、首位を走るチームに大きな勝利を持ち帰った。
2019シーズン前のドラフトで渋谷ABEMASに加入した日向は、同レギュラーシーズン、セミファイナル、ファイナル、そして2020シーズンのレギュラーシーズン、セミファイナルと個人として5ステージ連続でのプラススコアという快挙を達成。強豪ひしめくMリーグでの安定した成績は実力の証明に他ならず、解説の土田浩翔（最高位戦）も「パーフェクトに近いゲームでした。見事なトップ。5ステージ連続のプラスも頷けます」と手放しで称賛した。
そんな大記録にも、日向は「たまたまプラスで終えられて嬉しい」と謙遜を交えつつ、「優勝したい！が一番なので」と渋谷ABEMASの優勝が最大の目標だとあらためて明言。ツモアガリ時の「ちゅも」という愛らしい発声でファンを魅了するママ雀士は、悲願の初優勝を目指すチームにとって、いまや必要不可欠な存在となった。
【第1試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・日向藍子（最高位戦）5万200点／＋70.2
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大（連盟）2万8600点／＋8.6
3着 KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳（連盟）1万1100点／▲28.9
4着 TEAM雷電・黒沢咲（連盟）1万100点／▲49.9
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
この記事の画像一覧
ABEMAを大画面で楽しもう
