仲間が作った勢いを引き継いで、ヒーロー雀士が快勝だ。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2020」ファイナルシリーズ、5月10日の第2試合でEX風林火山・滝沢和典（連盟）が今シリーズ初勝利。最後方の4位から始まった今シリーズ、初日にしてチームをまず3位に押し上げた。
この試合の対局者はKADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）、滝沢、赤坂ドリブンズ・園田賢（最高位戦）、渋谷ABEMAS・白鳥翔（連盟）の並びでスタート。滝沢は東3局、ドラの中が暗刻のチャンスを迎える。内川のリーチを受けるが、これをすぐにツモって満貫ゲット、トップ目に躍り出た。
滝沢の二の矢が放たれたのは南2局1本場、高目一盃口となる1・4索のリーチをかけた。白鳥がこれに追っかけリーチで応戦するものの、滝沢はすぐに高目の4索をツモ。リーチ・一発・ツモ・タンヤオ・平和・一盃口・裏ドラの1万8000点（＋300点、供託1000点）を手に入れて点棒は5万点超となり、この試合のトップを決めた。
勝利者インタビューでは「ドラがあれだけ来ると、トップもラクに取れますよね」とまず一言。ドラの中を暗刻にして、満貫をアガった東3局について「ターツ選択がうまくいったかなと。ピンズが若干安かったといったらそれだけのことですが、あそこだけはうまく打てたのかなと思います」と自ら振り返った。
また、試合前には神社へお参りに行ったことを明かし、「（お参りの効果を）まったく信じてないんですけど、良かったかもしれないですね」と胸の前で手を合わせるお祈りポーズ。信心深さはないものの、わざわざ出かけたご利益のほどを実感したようだった。それでもリポーターの松本圭世から「ファイナルの期間中、（お参りを）続けてみようかなという気は？」と聞かれると、「いや、ないですけど」と即答。これには視聴者も爆笑、「まったく信じてない」「ないんかいｗ」「正直な男や」とコメント欄が沸き立った。
ファイナルは残り10戦、頂点を争う戦いはあっという間に終わる。滝沢は「何度か山場があると思うんですけど、最後までぜひ楽しんでいただきたいと思います」と述べ、深々と一礼していた。
セミファイナルでは正念場で個人2連勝しチームをファイナル圏内に導く一方、最終日には第1試合でラスを引き、窮地に陥った。苦しんだ末に勝利するからこそ輝くのは、まさに滝沢のヒーロー属性ならでは。これによってリーグ全体も大いに盛り上がる。この男がファイナルにいる限り、見逃していい試合は1つもない。
【第2試合結果】
1着 EX風林火山・滝沢和典（連盟）4万1900点／＋61.9
2着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）3万300点／＋10.3
3着 渋谷ABEMAS・白鳥翔（連盟）2万7100点／▲12.9
4着 赤坂ドリブンズ・園田賢（最高位戦）700点／▲59.3
【5月10日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS ＋199.3（2/12）
2位 KADOKAWAサクラナイツ ＋170.2（2/12）
3位 EX風林火山 ＋78.0（2/12）
4位 赤坂ドリブンズ ▲59.8（2/12）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
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