藤井聡太王位・棋聖、深夜の逆転“鬼の棲家”順位戦B級1組で白星発進 順位戦連勝記録は単独2位の「22」
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 将棋藤井聡太王位・棋聖(18)が5月13日、順位戦B級1組で三浦弘行九段(47)に109手で勝利した。今期から“鬼の棲家”とも称される激戦区・B級1組に初参戦となったが、A級19期の実力者・三浦九段を相手に深夜の逆転劇。これで順位戦連勝記録も「22」まで伸ばし単独2位に浮上、森内俊之九段(50)が持つ最多記録「26」まであと4つと迫った。

【中継】藤井聡太王位・棋聖、順位戦B級1組デビュー戦

 タイトル戦を除けば最長の持ち時間(6時間)である順位戦で、またもその力をフルに発揮した。前日まで順位戦は21連勝を含み、通算39勝1敗、勝率.975。圧倒的な数字を叩き出していた。この日はタイトル経験もある三浦九段と先手番から横歩取りの出だしに。中盤まで互角の展開だったが、終盤に入ると徐々にペースを奪われ始め、一時ははっきりと劣勢に。それでも諦めずに打開策を探り続けると、深夜に入ってから挽回。ついに逆転すると、そこからは武器である終盤力で突き放し苦しい戦いを制した。6日には王座戦挑戦者決定トーナメントで深浦康市九段(49)に敗れ、公式戦連勝が「19」でストップ。この夜もベテランのトップ棋士相手に追い詰められたが、本局では粘り強さでもトップクラスであることを盤上で表現した。

 対局を終えた藤井王位・棋聖は、B級1組初戦白星について「本局も苦しい時間が長かったと思いますし、B級1組で今後も厳しい相手が続くと思うので、より一層気を引き締めないといけないと思いました」と振り返ると、順位戦22連勝には「それに関しては自分としては全く意識していないことなので、次の一局に新たな気持ちで臨めればと思います」と語った。

 最年少名人への道も、また一歩前に進んだ。谷川浩司九段(59)が持つ21歳2カ月という大記録を更新するためには今期、上位2人に入りA級入り、さらに来期に名人挑戦権を獲得し、奪取することが必要。B級1組、さらにA級と進むほど対戦相手のレベルは上がってくるが、昨年10月末から歴代8位の19連勝を記録するなど、トップ棋士同士の対戦でも勝利を重ねることができる藤井王位・棋聖の姿を見れば、やはり周囲からは記録更新の期待が寄せられる。順位戦の連勝記録「26」を今期、更新することがあれば、それは最年少名人への可能性がさらに大きくなったことの証しだ。

 6月には保持している棋聖、王位のタイトル防衛戦が始まり、竜王戦、叡王戦ではタイトル挑戦をかけた本戦の戦いが始まる。2020年の夏は「第2次藤井フィーバー」と言えるほどの盛り上がりを見せたが、今年の夏も藤井王位・棋聖の熱い戦いは増え続ける。

ABEMA/将棋チャンネルより)

順位戦 B級1組 藤井聡太王位・棋聖 対 三浦弘行九段
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