追い詰められた場面で結果を出す“ヒーロー属性”はこの日も健在だった。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2020」ファイナルシリーズ、5月13日の第1試合でEX風林火山・滝沢和典(連盟)が自身ファイナル2連勝を決め、11日のチーム2連敗を即座にリカバーした。
この試合の対局者は渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)、KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)、滝沢の並びでスタート。10日のファイナル初日は2連勝と絶好のスタートを切ったEX風林火山だったが、11日は一転して二階堂亜樹(連盟)と勝又健志(連盟)が2連続ラスを喫する苦しい結果に。下克上のためにはトップが至上命題となる重要な一戦で、先発を託された滝沢が意地を見せる。
東1局、親番の白鳥が発と白のポンを入れ、他家は後退を余儀なくされる場面。滝沢は白鳥の仕掛けにしっかりと対応しつつ、手を壊さなかったことが功を奏して終盤にテンパイし、直後にあっさりとカンチャン待ちの6索をツモ。本人にとっても「真面目に打ったらアガっちゃった」と望外の結果だったようだが、親の圧力を華麗にかわすツモ・タンヤオ・ドラの4000点で幸先のいいスタートを切った。
東3局にはフリテンながらも悠然と三面張リーチを敢行し、山にたっぷり残った3・6・9索をツモアガリ。リーチ・ツモ・平和・ドラの5200点(+供託1000点)を加点する。その後、滝沢はしっかりと守備を固め、僅差のトップ目で迎えた南3局1本場。アガればトップが濃厚になる場面だったが字牌の単騎待ちではリーチをせず、狙い通りの2・5・8・4・7筒待ちに仕上げてリーチ。2着目の岡田からリーチ・一発・平和・赤・裏ドラの8000点(+300点、供託1000点)という重たい一撃を直撃してトップを決定づけた。
優勝のためには後がない状況でトップだけを強く意識しつつ、半荘を通じて放銃0回と滝沢ならではの繊細な守備力も光った同半荘。解説を務めた渋川難波(協会)は「オリる時はしっかりオリて、押す時はしっかりと押す。まさに王道麻雀と言うにふさわしい麻雀でしたね」と感嘆のコメントを残した。
セミファイナルでは個人2連勝を決めながらも最終日にラスを引き、チームメイトの勝又が条件戦を執念で乗り切って紙一重でファイナル進出というドラマもあった。今度はお返しとばかりに、仲間が招いたピンチを見事に救ってみせた滝沢。ここぞの場面で結果を残すヒーロー気質のイケメン雀士は、大逆転優勝に向けて「一戦一戦が勝負どころ。しっかり打たなければと思っています」と言葉に力を込めた。
【第1試合結果】
1着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)4万4000点/+64.0
2着 KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)2万1400点/+1.4
3着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)1万9900点/▲20.1
4着 渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)1万4700点/▲45.3
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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