こんな三つ巴を誰が想像できたか。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2020」ファイナルシリーズ、5月17日に3位のEX風林火山が2連勝で奪首に成功、上位の渋谷ABEMAS、KADOKAWAサクラナイツが揃って沈み、この結果3チームが16.9ポイント差にひしめくという、Mリーグ史上最も激しい接戦となるファイナル最終日を迎えることになった。
ファイナルへ3位で進出したものの、ここまでトップに恵まれないのは赤坂ドリブンズ。首位とは251.1差と離されたが、鈴木たろう(最高位戦)の目に諦念はない。「Mリーグレコードくらいのトップが取れたら優勝、もしくは3位、2位ということもあるので。最後までドリブンズが忘れられないように、頑張っていきたい」と語った。これまで何度も奇跡を起こしてきた“ゼウス”だからこそ、登板があれば何かをやってくれるという期待も十分に残っている。
上位3チームの優勝条件は18日の第1試合によって決まるが、基本的にはシンプルで「この日に勝ったチームが優勝」。第1試合でラスを引いたとしても最終戦となる第2試合はほぼ着順勝負に変わりなく、それにいくぶんかの素点の条件が付加されるものとなる。
3位へ転落した渋谷ABEMASだが、17日に4着・3着と苦しい展開だった多井は「サクラナイツと一騎打ちのつもりでいた。ここまで来て半荘1回か2回、ツイてたかツイてないだけで優勝逃しましたっていうのは僕らしくもないしプロとしてはダメ。必ず結果を残して優勝したい」と、悔しさと最終日への思いを口にした。この男で負けたら仕方ないと思える信頼度が何よりの強みだ。ここで悲願の“完全優勝”を果たし、Mリーグの主人公となれるか。
ここまで2強の一翼を担ってきたKADOKAWAサクラナイツは、成長著しい最年少Mリーガー岡田紗佳(連盟)の躍進に加え、内川幸太郎(連盟)、堀慎吾(協会)のダブルエース体制で、今期不調のベテラン沢崎誠(連盟)を支えながらここまで戦ってきた。最終日はわずか1.5ポイント差の2位からの逆転を期す。堀は「僕の出番があるかわからないですけど、全力で優勝を目指してみんなで勝ちにいきます」と前を向いた。「トップを取るのが得意」と鳴り物入りでリーグへ参戦してきた堀、その真価が天王山で発揮されるか。
そして下克上の優勝を狙い、奪首に成功したEX風林火山。このポジションへ躍り出た立役者の勝又健志(連盟)は「順位は気にせずに1局1局に集中したい」と決意を秘めた口調で語った。最終日はファイナルで2勝を挙げている滝沢和典(連盟)と合わせての登場、もしくは連闘もありうる。セミファイナル最終戦、ぎりぎりの条件をクリアして勝ち上がった粘り強さがここでまた発揮されれば、初優勝が見えてくる。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)






