今から1年近く前の夏の夜、将棋ファンや女流棋士の腹筋を崩壊させたあの現象を、ベテラン棋士は忘れていなかった。深浦康市九段(49)が5月17日、叡王戦本戦トーナメント1回戦に出場した藤井聡太王位・棋聖(18)の対局を解説。かつて自身が「藤井さんのバッグがゾウさんに見える」と珍コメントを発したことを振り返り、さらには直接対決した際に自らの目で本当にゾウに見えるか検証したことを報告。これには周囲でも、あの日の爆笑シーンを思い出してか、再び多くの笑いが生まれることとなった。
「ゾウさんに見える」現象の発端は、昨年の7月、藤井王位・棋聖が竜王戦挑戦者決定トーナメントで丸山忠久九段(50)と対戦した時のこと。この対局も解説していた深浦九段が夜遅い時間に入ってから、おもむろに「藤井さんのバッグ、ゾウさんに見えない?」とつぶやいたことで、聞き手を務めていた武富礼衣女流初段(21)が「せ、せんせぃ…やめてください…」と息も絶え絶えになるほど笑いだしてしまうという事態に。多くの将棋ファンの間でも「神回」と呼ばれる爆笑シーンとなった。
藤井王位・棋聖に関するエピソード(?)として今もなお記憶に残るものだが、誰よりもしっかりと覚えていたのが深浦九段本人だった。今月6日、王座戦挑戦者決定トーナメントで、約3年ぶりに対戦。終盤に逆転勝利を収め“将棋星人”を倒した“地球代表”として注目を集めたが、当の本人は対局の合間に、例のバッグに注目していた。この時のことを、叡王戦の中継で聞き手を務めていた飯野愛女流初段(34)に向かって語り始めた。

深浦九段 藤井さんのバッグがあるじゃないですか。あれが以前、私、ゾウさんに見えたことがあったんです。
飯野女流初段 それ、ニュースになってましたよね(笑)
深浦九段 改めて藤井さんの対面に座って見てみたんですけど、どう見てもゾウさんには見えなかったんです。
飯野女流初段 (爆笑)
深浦九段 どうしてゾウさんに見えたんだろうと、対局中に思いましたね。どうやっても見えなくて、いろいろ角度を変えたんですけど、見えなかった。対局の機会が少ないから、確認しないといけないと思ったんですけどね。
飯野女流初段 生で見てわかるものがありますからね(笑)
深浦九段が対局時に見たバッグと、昨夏の解説時に見たバッグが同じものだったのか定かではないが、ひとまず今回の“生検証”では、ゾウには見えないという結果が出た。やはりあの夏の夜の光景は、奇跡のアングルによるものだったのか…。
久しぶりに聞いた「ゾウさんトーク」に、視聴者も大盛り上がり。「あれめちゃくちゃ笑ったわ」「れいちゃんが爆笑したなw」「ぞうさんのポーチは灰色だった」「対局中そんな確認してたんかいw」と、大量のコメントが寄せられた。再燃した藤井王位・棋聖の持ち物ネタ。今後も本人の脇に置かれるグッズの数々には、多くの人の目によるチェックが入り続けることだろう。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
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