混じり気なしの真っ赤なスーツを見れば、あの人気キャラクターを連想せずにはいられない。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Cリーグ第1試合、チーム豊島とチーム木村の対戦が5月22日に放送された。チーム豊島のメンバー、大橋貴洸六段(28)は、あの天才棋士・藤井聡太王位・棋聖(18)と同期のプロ入り。直接対決でも勝ち越している実力者だが、プロデビュー以来カラフルなスーツを着こなす個性派であることもファンに知られている。団体戦になってからは初登場となった超早指し戦には、赤一色のスーツを選択。ファンからは早速「シャアだ!」という声が大量に沸き起こった。
赤は積極性、攻撃性を示す色。持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算という超早指しルールの中では、連続して瞬時の判断も求められることから、大橋六段もこの「気合の赤」を選択したのかもしれない。オープニングシーンに登場した瞬間から、そのスーツは一際目を引くものだった。
「赤」と「戦い」。この2つの組み合わせとして国内外で有名なものといえば、人気アニメ「機動戦士ガンダム」などで登場した“赤い彗星”シャア・アズナブル。主人公のアムロ・レイのライバルとしてシリーズ作品に多く登場し、アムロをもしのぐ人気を誇っている。このシャアが乗る赤い期待(シャア専用機)は通常機の3倍の性能を持ち、その分操縦も難しいが、天才パイロットでもあることから難なく乗りこなしている。
オープニングシーンで、色について聞かれた大橋六段は「今日の気分は赤だったということです」とシンプルに答えたが、他の棋士の多くが黒のスーツで固める中、そのインパクトは名人級。視聴者からも「赤い、赤すぎる」「赤いのは3倍速いんか?」「赤い彗星登場」と、勝負に出た大橋六段を喜ぶコメントが多く届いた。
なお、肝心の将棋では木村一基九段(47)、佐々木勇気七段(26)に敗れて2戦2敗。「なるべく勢いよくと指してはいたんですが、なかなか難しいところがありました。状況を把握するので精一杯で、このルールの厳しさを感じました」と、この赤い“機体”やルールにフィットしていないことを実感。次戦、チーム羽生との対決では、調整を重ねて今度こそ自由に盤上を駆け巡る。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)