5月19日にライフメットドームで行われた西武対ソフトバンクの一戦の中で、ファンの論争を呼ぶ珍しいプレーが起こった。
1回裏、西武の攻撃は一死二塁にランナーの源田を置いて森が打席に。森はピッチャーゴロに倒れたが、打球を捕球したソフトバンクの投手・松本は三塁へ送球。セカンドランナーの源田が挟まれて挟殺プレーとなったが、サードを守る松田の送球が高めに浮くと、これをショートの今宮が後逸。転々とするボールをカバーに入った松田が拾って素早くセカンドの周東にトス。打者走者の森は二塁手前でタッチアウトとなった。
しかし、その隙にサードに到達したの源田がホームをうかがうと、なんとホームには野手が誰もおらず“ガラ空き”…。難なくホームに生還し、西武が先取点を挙げた。
後にネットで「何が、誰が原因?」「何が正しい?」など論争を呼んだこのプレーについて、プロ野球解説者でYouTuberとしても活躍する里崎智也氏が解説。「二・三塁間でランナーを挟んだ時に、ホームを空けないためにできることは3つの選択肢しかない」と述べると、次のように説明を始めた。
「1つ目はキャッチャーが動かないこと。2つ目は、ピッチャーがホームのカバー。3つ目はファーストがホームのカバー。この時考えられるのは、ピッチャーゴロのケースなので、(ピッチャー松本は)三塁に投げたらそのまま三塁のカバーに行く。そうなると、ピッチャーがホームは無くなる。残る選択肢はキャッチャー甲斐がそのままホームにいるか、(ファーストの)中村晃がホームに来るか。おそらく甲斐はピッチャーの松本にランダウンプレーに入らせないために三塁のカバーに行ったと思う。それをするのであれば、ファーストの中村がホームに来なければいけない」
そのうえで「結局はチームとしての決まりごとがちゃんとできていないから、こういうことが起こる。キャンプのときからチームの約束事の確認をやるが、そこがちゃんと浸透していなかったということだろう」とも述べた里崎氏は「今宮がちょっとポロッとしたからこうなったという人もいるが、何が起きてもホームを空けてはダメ。何かが起きてイレギュラーになったのではなく、決まり事としてポジショニングは守らなければならない」と述べ、“発端は今宮”説に反論。里崎氏は最後に「サッカーで言うと、ディフェンスが上がるからと誰にも言わず勝手に攻めて行って、ディフェンダー誰もいなくてカウンターが決まるみたいな。それはダメ。決まり事なので決めとおかないと。誰のせいというより、システムがしっかり浸透していないところが問題。どのプレーを選択するかをチームで決めておかなければいけない」と締めくくった。(ABEMA『バズ! パ・リーグ』)