世界のムエタイ勢と渡り合うファイターを、左フック一発で前のめりKO。これまで手にした11の勝利すべてがKO勝利という“KOマシーン”は、試合後にマイクを握ると「K-1舐めんな!」と感情を爆発させた。
5月30日に横浜武道館で開催された「K-1 WORLD GP 2021 JAPAN ~K-1バンタム級日本最強決定トーナメント~」でK-1初参戦のMOMOTARO(OGUNI-GYM)と西元也史(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が対戦。MOMOTAROのテクニックにも動じずプレッシャーをかけた西元が2ラウンド、右ストレート、左フックを打ち抜いて見事なKO勝ちを収めた。世界を知る男の敗北に視聴者は「嘘だろ」「キレイに入り過ぎた」「完全に飛んでいた」と一様に驚きの声を上げた。
ペッダム・ペッティンディーアカデミー、シントンノーイ・ポー・テラクンなどONE Championshipでムエタイのトップランクの強豪たちとしのぎを削ってきたMOMOTAROが新たな戦いの場としてK-1に登場。迎え撃つ西元は現K-1 WORLD GPスーパーライト級王者・山崎秀晃と同じ伝統派空手の流れをくみ、山崎の背中を追いかけ、同郷で同じジムに所属。勝利した10勝全てKO勝ちと"KOマシーン"の異名どおりのキャリアを重ねてきた。
互いに伝統派空手出身という共通項はあるが、序盤から足を使いながらサイドキック、前蹴り、ローと多彩なキックを見せるMOMOTAROに対し、どっしりとした構えからプレッシャーをかけ、強打を放っていく西元とスタイルは対照的だ。
2ラウンド、MOMOTAROの左ストレートに"効かない”アピールの西元は、ジワジワと距離を詰め、MOMOTAROをロープ際に追い込むと右ストレート、そして左フックを振り抜いた。西元のアゴを捉えたパンチが"グシャ”と鈍い音をたてると、MOMOTAROは前のめりになり、両腕をついて崩れ落ちた。一度は立ち上がろうとしたもののダメージは大きく、足元はフラフラ。MOMOTAROはレフェリーに抱えられ試合終了のゴングを聞いた。
直前までMOMOTAROの技術の高さを絶賛していた解説陣も衝撃の一発にしばし沈黙。するとABEMAでゲスト解説を務めた関根勤も「これは怖い」とポツリ。さらに実況の矢野武アナウンサーが「西元にはこの一撃あります、あるぞ、あるぞ、これがあるんだ!」と絶叫すると、視聴者から「一発貰っちゃった」「打たれ弱いというよりキレイに入り過ぎた」「完全に飛んでいた」などの声が上がった。この試合を魔裟斗は「MOMOTAROが試合のペースを作ってましたけど、左フック一発で逆転ですね」と冷静に振り返った。
なお試合前から外様のMOMOTAROとK-1ジム代表の西元の代理戦争という構図でクローズアップされた試合。試合後、見事なKO勝利でプレッシャーから解放された西元はマイクを握ると「これがK-1のレベルだろ。K-1舐めんな!」と絶叫。晴れ晴れとした表情を浮かべていた。