SKE48を卒業した松井珠理奈さんが、プロレスリング・ノア＆DDT＆ガンバレ☆プロレス＆東京女子プロレス４団体合同興行「サイバーファイト・フェスティバル2021」（６・６さいたまスーパーアリーナ）の中継ゲストとして出演することが決定！ 同大会の見どころと、プロレスへの思いを語ってもらった。（聞き手／堀江ガンツ）
ーーSEK48卒業などで多忙だったこともあり、プロレス会場に来るのも昨年12月のノア代々木大会以来、約半年ぶりになりますが、プロレスが恋しかったですか？
松井 めっちゃ恋しかったです！ アイドル活動をスタートさせてから初めてできた趣味がプロレスだったんですよ。小6からSKE48、AKB48ひとすじでやってきて、それ以外に興味を持っちゃダメだと自分の中で思い込んでたんですけど。『豆腐プロレス』というドラマでプロレスに出会い、ファンになって4年くらい。まだまだ短いですけど（笑）。
――ファン歴４年とは思えぬ知識量だと思いますよ（笑）。
松井 いやいや（笑）。でも、ハマる時はすごくハマるんですよ。自分のグループも大好きだったからこそ13年も続けられたんだなと思っていて。だからプロレスもこの先ずっと好きなんだろうなって思います。いろんな団体もありますし、果てしないじゃないですか。
――今回の「サイバーファイト・フェスティバル」も総勢100人近い選手が出場しますしね。
松井 すごーい！一気に見ることができるお得感みたなものがめっちゃありますね。私は団体対抗戦というのもあまり見たことがないので、それもすごく楽しみです。
――会場に来れなかった半年間も、情報は入っていたと思いますけど。何か気になることはありましたか？
松井 気になるのは、直近ですけどやっぱり清宮海斗選手の大流血！
――5・22横浜大会でのNOSAWA論外戦ですね。
松井 ひさびさに女子目線で心配になっちゃいました。清宮選手は、ノアだけじゃなくてプロレス界全体の未来を背負っていく選手になると思うので。いま倒れられたら困るから大丈夫かなって。
――流血だけじゃなく、最近はプロレスに対していろいろ悩みを抱えているようですしね。
松井 でも、人って悩んで強くなるんだと思います。一度立ち止まって悩む時間も必要だと思うし。壁にぶつかってる清宮選手を応援しようと、ファンにも一体感が出るはずだし。その声援にきっと応える試合をしてくれるはずだから。
――これを乗り越えてこそ、真のエースへの道が開けてくるんでしょうしね。あと、ここ半年の大きな出来事でいうと、2月に武藤（敬司）さんがGHCヘビー級チャンピオンになりました。
松井 びっくりしましたね！武藤さんはお父さん世代なので、チャンピオンになってすごい！って。
――58歳の新チャンピオンですからね（笑）。
松井 武藤さんってホントにいつも気さくに話し掛けてくれるし、たぶん私のことを娘だと思ってるような感覚で、「おう、珠理奈！ 俺の息子の嫁になれよ！」みたいな感じで、ちょっと冗談まじりにしゃべってくれたり。すごいサービス精神旺盛なんです。そして、もちろんプロレスの実績はすごい。これからその武藤さんを誰が倒しにいくのか、楽しみになりますよね。
――武藤さんは、初防衛戦で清宮選手とも対戦していますが（3・14福岡国際センター）、試合前に話を聞いたら、「去年、清宮とやった時（2020年8・10横浜）、珠理奈はM's allianceのくせに、清宮のこと応援してたからな」って言ってたんですよ（笑）。
松井 また言ってるの!?（笑）。
ーーまだ根に持ってるんですよ（笑）。
松井 根に持ちすぎですよね。私、「八方美人で浮気者」って言われましたから。めっちゃひどいイメージじゃん、みたいな（笑）。でも、それだけ好いてくれてるっていうことだと思うので、うれしいなって思いますけど。ノアはいい選手がいすぎて、推しをひとりに絞れないんですよね。最近はYO-HEY選手や稲村（愛輝）選手も好きだし、選べなくなっちゃって。
――松井さんの卒業コンサート（4月11日、日本ガイシホール）でも、そのYO-HEY選手や稲村選手、あと清宮選手、丸藤正道選手の4人がゲストで登場しましたけど。武藤さんは、そこに選ばれなかったことも根に持ってるかもしれませんね（笑）。
松井 あっ、やばっ！（笑）。
――「どういう基準で4人選んでるんだよ？」っていう（笑）。
松井 これはもう私が好きな選手を選んだんですけど（笑）。やばい！ でも、武藤さんは卒業公演（4月29日、SKE劇場）のほうでメッセージをいただいて、ちょうどその時、武藤さんも同じ名古屋（国際会議場）で試合をされていらっしゃったので、それも運命だなって思いましたね。
――6・6「サイバーファイト・フェスティバル」は、その武藤さんらノアの選手にとっても晴れ舞台ですけど、半年ぶりの観戦いかがですか？
松井 すごく楽しみですし、選手の皆さんが卒業コンサートに来てくださった感謝の気持ちもあるので、ぜひたくさんの方に観に来ていただけたらなって思います。あと、SKE48の荒井優希ちゃんも出るので、これは注目ですね！
――荒井優希さんは2戦目になりますけど、デビュー戦はごらんになられましたか？
松井 無観客試合になったので会場にはいけなかったんですけど、映像で観ました。デビュー戦では負けちゃいましたけど、試合後、（対戦相手チームの）伊藤麻希選手にマイクでけなされるのかなと思いきや、「お前、勝ってみろよ！ それまでやり続けてやるよ！」みたいな。意外とエールを送られるような感じで言われてて。
ーー伊藤選手が、荒井さんをちょっと認めた感もありましたよね。
松井 そう！「かっこいー！」と思って。私の想像と違って伊藤麻希選手に先輩感みたいなのがすごくあるなって。いままでは結構“暴れてる選手”っていうイメージがあったんですけど、たぶん優希ちゃんが入ってきたことによって、周りの女子の選手たちの意識も変わっていくのかなって感じましたね。
――化学反応が起きつつあるんじゃないか、と。
松井 うん。それでいつかは優希もヒールになってもらって、「私に勝てるまでやってやるよ！」って言って欲しい（笑）。
ーーヒールの素質もありそうですか？
松井 ありますね。優希ちゃんはSKE48のなかでは、やんちゃなヒールなので。
――いまは、やられっぷりがいい感じですけどね。
松井 そうですね。でも攻撃のほうも、「ファイナリー」と名付けたかかと落としがすごいですよね。SKEの曲のなかで『片想いFinally』っていう曲があるので、SKEファンの方もファイナリーっていう名前がついてテンションが上がってましたし。私自身も、プロレスファンとしてもSKEファンとしても「いい名前をつけたな！」と思ってるので、今回、生でファイナリーが観られるんじゃないかと期待してますね。
――SKE48という同じグループだった荒井優希さんのプロレスの試合を目の前で観るというのは、どんな気持ちですか？
松井 私も『豆腐プロレス』のときにはリングに上がってやったりもしたので、リングの楽しさとピリピリ感やプレッシャー、その両方がわかるからこそ、ちょっと親目線でうるっと来ちゃいそうだなっていうのはありますね。けど、私がちゃんと解説しないといけないんで（笑）。そこはきっちり、優希ちゃんの良さを引き出せるように解説したいなと思います。
――デビューの前日は、荒井さんから電話がかかってきたそうですね？
松井 そうなんです。優希はあまり泣かないタイプなのに、すごく泣いてて。「どうしましょう……私、できる自信がなくなりました」みたいな。だけど、「練習は裏切らないし、デビュー戦からうまくいく人なんていないから、大丈夫だから！」って言ったら、「わかりました！ 最初の一歩ですもんね。がんばります！」っていうふうに気持ちを切り替えて。それでデビュー戦が終わったあとにも連絡が来て、「負けちゃったけど、自分なりに表現できたー！」っていうふうに言ってたので、すごくうれしかったですね。今後が楽しみです。優希ちゃんは身長が高くて足が長いので、見栄えがすごくいいんですよ。
ーーリング映えしますよね。
松井 それって才能だと思うので、どんどん活かして新しい技にも挑戦していってほしいなって思います。
ーー松井さん自身は、SKE48を卒業されて、今後プロレスとはどんな関わり方をしていこうと思っていますか？
松井 アイドルは卒業してもプロレスは卒業できないってホント思いますね。アイドル時代も落ち込んだときにプロレスを見て、選手のみなさんが立ち上がる姿を見て、自分も立ち上がろうと思えたりとか、プロレスに助けられたことがいっぱいあるので。今は、卒業してひとりになった寂しい気持ちを、プロレスを観て紛らわそうかなって（笑）。
ーーあとはM's allianceの一員として、なにかやっていきたいこととかありますか？
松井 武藤さんに「試合すればいいじゃん」って感じで言われて、「そんな簡単に言うけど！」って（笑）。
――武藤&珠理奈の“父娘タッグ”は観てみたいですね（笑）。
松井 いやいや（笑）。試合するには練習もしなきゃいけないし、大変だし、女が男のなかに混ざっても大丈夫かなっていう気持ちもあるんですけど。昨年11月（ノア横浜大会）一緒に入場させていただいたとき、ノアのファンの方に歓迎していただいて、「今度はリングで闘ってる姿も見たいです！」みたいなことも言ってくださったので。まずはセコンドからやってみたいなっていう気持ちはありますね（笑）。
ーー横浜での入場の時は、もう総帥感がありましたけどね。ついにM's allianceのボスが登場したっていう（笑）。
松井 アハハハハ！ 一緒に入場するなら、自分も闘うつもりで行かないと失礼だなと思ったんですよ。リングってホントに神聖な場所で、本来、努力して選手になった人しか立てない場所だから。私たちのステージも一緒なので、自分が生半可な気持ちで入場したらダメだなと思って、「自分も闘うんだ！」って気持ちでやってたら、勝手にああなっちゃってましたね。アイドルを忘れてました（笑）。
ーーでは、今後は横浜で見せた蝶野正洋さんへのビンタ以上のインパクトを期待してますよ（笑）。
松井 そうですね。なにか、ゲスト解説じゃないインパクトが残せたらいいなって思います！（笑）。
