日本におけるSNSの草分け『mixi』を作り出した株式会社ミクシィ。昨年には東証マザーズから東証一部へ市場変更、子どもの写真・動画共有アプリの『家族アルバム みてね』やゲーム事業に加え、スポーツ事業として共遊型スポーツベッティングサービス『TIPSTAR』を展開するなど、拡大を続けている。
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昨年、代表取締役社長の木村弘毅氏は「私たちは自分たちのことを“コミュニケーション屋”だと定義している。コミュニケーションというのは水や空気と同じように、生きていく上で不可欠なもので、例えば誰とも話さずに真っ暗な部屋で一生を過ごしてくださいと言われたら、多分誰も生きていけないと思う。つまり携帯電話が水を流すような事業だとすれば、そこに色を付けたりして、ちょっとおいしい飲み物に変えよう、というのが私たちの事業だと思う。それが『みてね』の事業やゲーム、そしてスポーツだ。人々に欠かせないコミュニケーションに味付けをしていくことで、より豊かにしていく。それが私たちの使命だ」と話す。
「モンスト(モンスターストライク)が出た当時、スマートフォンで遊ぶものは基本的に一人で暇つぶしに、というものがほとんどだった。そこで私たちはスマートフォンを最大4台まで持ち寄って一緒に遊べる仕様にして世の中に出した。そのことによって学校や会社やファミレスがすぐにゲームの会場、パーティーの会場になる。おかげさまで2016年、2017年は世界売り上げナンバー1になった。ただ、コロナ禍の今は我慢してください、家庭内でご家族と遊んでくださいと言っている。もちろん、明けない夜はない。食事だってライブエンタメだって集まって遊ぶゲームだって、絶対に戻ってくると思っている。そこまでは我慢して、サービスを磨き続ける覚悟だ」。
『mixi』に思い入れがあるというAKB48の柏木由紀は、「私は学校で共通の趣味の人が見つからなくて、あまり友達ができなかった。中学生になるとmixiを始めて、アイドルが好きな人同士で繋がっていた。実はそこでAKBに入る前の指原莉乃ちゃんとも繋がった。“世の中にはこんなにたくさんの人がいて、世界って広いんだ”ということを知れたのがmixiだった。“この人が見てくれた”みたいな足あと機能のことも思い出した」。
木村社長は「僕の場合も友達は多い方ではなくて、常に側にいてくれる一部の仲のいい友達とつるんで遊んでいるのが楽しくてしょうがない、みたいなところがあった。インターネット上では色々な人とコミュニケーションを取れるが、mixiはどちらかというと仲の良い友達、近しい人との関係をどれだけより濃くしていくかみたいな機能を求めていたところがある。そういうところは機能にも反映されていたのではないか。コミュニティで趣味趣向の合う仲間と繋がって仲良くなる、そして実際の顔見知りの方と繋がったら、プライベートな日記を交換し合うという機能、そういう2つの大きな要素がある」。
お笑いタレントのパックンは「“17年経っても利用者健在”という表現をされるということは、“mixi、まだあるんだ”と思っている方が多いということなのではないか。Twitter、Facebook、Instagramなどに押されているイメージもあるが、今後の展開はどうするのか」と質問。
木村社長は「答え方が難しいが、半分その通りで、半分その通りではない。社名に冠している以上、やっぱり『mixi』が大切にしてきたコミュニケーションを全社のミッションに、仲の良い人との場の提供をこれからもどんどんやっていこうと思っている。ただ、それはSNSという形だけにこだわらない。『mixi』に関しては今ご利用いただいている方々にとっての温かい拠り所になっているので、きちんと維持していくし、それ以外にも『みてね』や『モンスト』、『TIPSTAR』など、いろんなサービスを通して提供していきたい」と答えた。
ドワンゴ社長で慶應義塾大学特別招聘教授の夏野剛氏は「インターネットも人々に広がって、色々なサービスが出てきた。皆が使っているからという理由で使う場合もまだあるが、『Clubhouse』みたいにすぐ消えていってしまうものもあれば、過去からの蓄積で重要なものもある。僕もmixiではワインのコミュニティに入っているし、利用者数がある限りはサービスは続く。2000年代のインターネット業界は勝者総取りだったが、今はメガヒットも出にくい反面、自分に合ったサービスをそれぞれ使っていく時代になったのかなという感じはする」とコメント。
柏木は「私は自分が罹った病気(脊髄空洞症)のことを調べようとした時、同じ病気の方が集まるmixiのコミュニティが出てきたのでずっと見ていた。そういう残り方、使い方もあるんだなと改めて思った」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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