将棋界屈指の大食漢として知られる丸山忠久九段。50歳という年齢を全く感じさせない食欲は、育ち盛りの若手をも大きく引き離す。食事休憩での注文のボリュームは、棋士の間でも有名なところだ。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」でチーム広瀬のメンバーとして参加した丸山九段は、このエピソードについて改めてその大食いの理由を語った。
丸山九段は広瀬章人八段(34)、北浜健介八段(45)とともにチーム広瀬として大会に参加。3人とも早稲田大学OBということもあり、開幕前に大学やその周辺を訪れ、チームワークを高めていった。早大生行きつけの飲食店を訪れた3人だが、それぞれボリュームたっぷりの定食を注文。ところがここで丸山九段はトンカツ定食にメンチカツを追加。強烈な揚げ物の“両取り”を繰り出した。
ここで北浜八段が、丸山九段の大食い伝説を紹介。「唐揚げ定食に唐揚げを追加したのは、丸山先生が最初で最後では」と語ると、丸山九段は「唐揚げだと、やっぱり唐揚げの肉の分量がわからないんで。肉の分量が少ないかとちょっと一応保険みたいな感じ」と、にこにこしながら理由を説明した。なお、この唐揚げ定食に唐揚げ追加は、広瀬八段も挑戦したことがあるようで「自分には量が多くてびっくりした」と、“投了”したこともあったという。
続いて紹介されたのが「冷やし中華+天ざるそば」という、麺もの2種の組み合わせ。丸山九段は「冷やし中華自体は割と少ないじゃないですか。それよりは多い方がいいかな」と、大盛りにしたぐらいの穏やかな口調だった。
なお、食事の合間にも大量のカロリーメイトで栄養補給することで知られるが、これにもかつて「栄養が切れると頭が真っ白になる」と答えたことがある。北浜八段が「普通にありますよね?深夜の対局だとエネルギー切れみたいな感じで、何も考えられなくなる」と同調すると、再び丸山九段は「棋士なら一度は経験したことがある。深夜に何か信じられないミスが出るっていう時、大体栄養が切れている。そういうことはちょっとないように」と、棋士としての最善を尽くしていることだと語っていた。大好きな食事の話で笑顔になった丸山九段。最後まで、注文した定食をおいしそうに頬張っていた。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)