藤井聡太王位・棋聖、“鬼の棲家”順位戦B級1組で2勝目 屋敷伸之九段下す
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 将棋藤井聡太王位・棋聖(18)が6月13日、順位戦B級1組3回戦で屋敷伸之九段(49)に130手で勝利し、同組で今期2勝目(1敗)を挙げた。2回戦で稲葉陽八段(32)に敗れ、順位戦での連勝記録が「22」で止まっていたが、タイトル3期の実績を持つ屋敷九段に、じっくりとした進行から中盤以降少しずつリードを奪い、拡大していく落ち着いた指し回し。“鬼の棲家”と称される激戦区で、A級昇級に向けて再スタートを切った。

【中継】順位戦 B級1組 第3回戦 藤井聡太王位・棋聖 対 屋敷伸之九段

 屋敷九段が得意とする相掛かりからのスタートになった一局は、角・歩の交換こそあったものの、本格的な戦いが始まったのは、夜戦に入ってから。自然な指し手に終始したように見えるものの、形勢としては確実に差を広げていき、終盤に入ったところでははっきり優勢に。「AI超え」のような目立つ一手ではなく、全体の構成で勝利する骨太の強さで、最後は長手数の詰み筋を読み切った。

 対局後、藤井王位・棋聖は、2回戦で敗れていたことについて「B級1組は特に長いので、星取りは考えずに臨もうと思っていました」と対局前の心境を振り返ると、「序盤から選択肢が多くて、本譜よりいい展開を選べたところもあったと思います」と一局を通した感想をコメント。次局に向けては「まだ9局残っているので、あまり先のことを考えずに目の前の一局一局に集中したいです」と抱負を述べた。

 藤井王位・棋聖には、谷川浩司九段(59)が持つ21歳2カ月の最年少名人記録更新の可能性を残しており、今期A級への昇級を果たし、来期のA級で挑戦権獲得、さらに奪取する必要がある。逆に今期、昇級できなければ飛び級のシステムがないだけに、記録更新は不可能になる。

 順位戦のほか、今月には渡辺明名人(棋王、王将、37)との棋聖戦五番勝負、豊島将之竜王(叡王、31)との王位戦七番勝負と重要な対局が続くだけに、天才棋士の夏は今年も多忙で激しいものになる。

ABEMA/将棋チャンネルより)

第80期 順位戦 B級1組 第3回戦 藤井聡太王位・棋聖 対 屋敷伸之九段
第80期 順位戦 B級1組 第3回戦 藤井聡太王位・棋聖 対 屋敷伸之九段
稲葉陽八段には敗れる
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最終盤で逆転した三浦弘行九段戦
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