イギリスのコーンウォールを舞台に13日まで開催されていた主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、菅総理にとって初の対面参加となる国際会議となった。大きな狙いの一つは各国首脳からオリンピック開催の支持を得ることであったが、閉幕後、菅総理は「東京大会につきましては、感染対策の徹底。そして、安全安心の大会について、私から説明をさせて頂き、全首脳から大変、力強い支持を頂きました」と成果を口にしている。
G7を現地で取材したANNロンドン支局の山上記者は「バイデン大統領との会談でも(五輪開催に向けた)支持を得たという話がある。菅総理の目的としては一つ達成されたとはいえるのではないか」と一定の評価をした。
その一方、他国の首脳と距離を置く場面が散見されたことに様々な意見があがっている。そのことについて山上記者は「可もなく不可もないのでは」と話すと「オリンピックの支持を取り付けた部分はあるが、目立って大きな発言をしたわけではない。かといって大きなエラーをした、失言をしたというわけではない」と説明すると、菅総理と同じく初外遊となった米・バイデン大統領について「G7の開幕直前に英・ジョンソン首相と会談したことはBBCのトップニュースで報じられていた。同じ初外遊同士で比べるとすれば、ややバイデン大統領の方が目立っているという印象だ」と続けた。
また、G7の首脳の中で菅総理だけが英語が苦手であると指摘した山上記者は「初日のレセプションなどでも、他の首脳と会話する様子を配信映像では確認できなかった」などと述べた。
そんなG7に出席した首脳の中で、一人MVPを挙げるならとの質問に対して山上記者は仏・マクロン大統領を挙げた。その理由について「初日の様子を見て思ったが、エリザベス女王がG7の首脳を歓迎に訪れた。その際にジョンソン首相と隣り合う形でエリザベス女王をずっとエスコートしていた。現在、イギリスとフランスはEU離脱を巡るごたごたの延長線上にあり、関係が上手くいっていない。そのため、イギリス国民に対して、フランスに対する感情を少しでもなだめよう。雪解けの演出があるかもしれないし、フランスの大統領選挙をにらんで“外交上手”であることをアピールする狙いがあったのでは」と話した。
マクロン大統領に次いで、山上記者が名前を挙げたのが、菅総理の真理子夫人だ。その理由について、山上記者は「菅総理が他の首相となかなかコミュニケーションがないという中で迎えた2日目のバーベキューに菅総理が訪れる前から真理子夫人が会場に入ってイギリスのジョンソン首相のキャリー夫人と二人で会話をする様子があった。また菅総理が韓国の文大統領と会話をした後、文大統領夫妻と真理子夫人だけで会話をする場面もあった。他の首脳とのコミュニケーションが苦手と思われる菅総理をフォローするように映った。ファーストレディーとしての外交手腕を非常に発揮していると感じた」などと述べた。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)
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