和風で古風なイメージも強い将棋の世界だが、棋士の素顔を見れば年相応の考え方や暮らしをしている者も多い。スマホも持てばSNSも使うし、ゲームだってする。ただし、2日制のタイトル戦ともなれば、スマホもゲームも使えない夜を過ごすことになる。井出隼平五段(30)がベテラン棋士・中村修九段(58)に、素直な質問を連発し思わず苦笑いさせたが、ファンは爆笑することとなった。
2人が話し合ったのは、6月29日に行われたお~いお茶杯王位戦七番勝負の第1局1日目。ABEMAの中継で、ともに解説を務めている時だった。まもなく封じ手という局面で、タイトル戦に臨む藤井聡太王位(棋聖、18)と豊島将之竜王(叡王、31)がどんな夜を過ごすか、という雑談に花が咲いていた。
現在、プロの将棋界では対局中にスマホなどの電子機器を携帯することが禁止されている。将棋ソフトなどの不正利用を防ぐためだ。よって藤井王位、豊島竜王の2人は対局前にスマホなどを預け、対局が終わる翌日の夜ごろまで、電話もインターネットも使えない状態になっている。今や世界中、どこにいても連絡が取れるというような時代だが、丸一日以上も連絡手段がなくなるのは、特に若者にとっては一大事だろう。
井出五段 なかなかすごい状態ですよね。若い人ほどスマホとか(持てないのは)。
中村九段 半日持ってないと不安とかね。
井出五段 寝る前に絶対Twitterをチェックするのが日課の人とか「今日、おれは何を言われたんだ」とか、気になって寝られなくなっちゃうかもしれないじゃないですか。
藤井王位と豊島竜王が、エゴサーチするようなタイプかは不明だが、日々ファンの声をチェックしてから寝る習慣があったとしたら、確かに調子は狂うかもしれない。井出五段の質問は、娯楽についても富んだ。
井出五段 (スマホはダメでも)たとえばプレイステーションは持ってきていいんですかね。
中村九段 見たことないね。どうしてもやりたいならホテルに言えば(笑)。
井出五段 自分のデータがあるんで、自分の(ゲーム機)じゃないと意味がないんです!
中村九段 そこは、私は知りません(笑)なぜタイトル戦に来て、そのゲームをしたいかってことですよね。
井出五段 Wiiで運動しないと寝られない人とか。
中村九段 そういう人は、なかなか(タイトル戦に)出てこられないということでしょう。激しい将棋になったら、ゲームどころじゃないですよ。
井出五段 ですよね(笑)。
もちろん井出五段もジョークとして言っていることが大半だが、このゲーム機についてもまた、日々の生活に組み込まれている棋士がいてもまるで不思議ではない。ファンはこの脱線トークに大盛り上がりで「なにしにいくんだよw」「なんの話なんだよw」「タイトル戦来てプレステやる棋士w」「修学旅行にプレステ持ってきてる奴いたな」と、多くのコメントが寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)







