この男が黙っているはずもない。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Eリーグ第1試合、チーム斎藤とエントリーチームの対戦が7月3日に放送された。ドラフトの指名から漏れた棋士によるエントリートーナメントを勝ち抜き、本大会に出場を決めた藤森哲也五段(34)。放送対局やイベントでの大盤解説では、その話術で盛り上げるが、解説というよりも“実況”に近く、ファンからは「実況名人」と呼ばれることもある。今回は選手として出場しているが、チームメイトが戦っている最中は、やはり舌がうずくのか実況ばりのトークを展開した。
藤森五段は、昨年の第3回大会では解説(実況)として番組に出演。その際、将棋界では耳慣れないワードを連発したことで話題になった。「ちょっとここは相手にマヌーサかけたいですけどね。目をくらましたい」「ここはどこかで龍神剣があります」「メジャーリーガーに金属バット」など、次々に新語が飛び出した。
さすがに今年は選手だけに、対局中にしゃべるわけにもいかないが、仲間を応援する会議室となれば話は別だ。第1局、梶浦宏孝七段(25)が相手のリーダー斎藤慎太郎八段(28)を攻め込むと、自チームのリーダー小林裕士七段(44)の「ちゃんと指せば優勢になるはず」というひとことに反応。「あ、ホント!ホントすか!?」と興奮し始めた。さらに第2局、今度はいよいよ我慢できなくなったのか、予想した指し手を解説し始め「▲2四歩、△同歩、▲2ニ歩を狙っています、みなさん。△同飛、▲3一角から切り飛ばして、飛車走って、いぇい!」と、視聴者に呼びかけた。
将棋界の中でも有数のエンターテイナーが期待通りのトークを披露したことに、ファンからは「流石の実況ですわ」「実況したい症候群発動してる」「控え室でも実況してる」と好反応が続々。次戦でもおそらく、将棋と同等かそれ以上に、ファンを楽しませる話術を披露するはずだ。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
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