一家離散を経験した女子大生、カフェ経営でアフリカ支援「単発ボランティアではない根本的な解決を」
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世界中の子供たちが、自由に夢を描く社会を作りたい。環境のせいで未来が押しつぶされてしまう子供たちがいる、この社会を変えたい」

 大阪大学に通う大学生の山田果凜さん、20歳。山田さんはコロナ禍で大学の授業がリモートになったため、沖縄県・読谷村で、アフリカ・ルワンダ産のコーヒーを提供するカフェを経営している。名前は「トビラカフェ」。

【映像】「トビラカフェ」“ストーリー”が詰まった店内の様子(30秒ごろ~)

 アフリカのルワンダでは、新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンが影響し、食料不足に直面。貧困に拍車がかかっている。トビラカフェのコンセプトは「現地の生の声を届けるための扉になる」こと。「一杯のコーヒーをきっかけに、貧困問題や社会問題に目を向けてもらいたい」と山田さんは話す。

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 高校時代、ルワンダで行われた起業体験プログラムに参加した山田さん。そのときに知った現状を日本から「継続性を持った社会貢献」で救いたいと思ったという。トビラカフェでは、売上の5%を毎月ルワンダの団体に寄付し、現地で畑を作り、病院の患者や子供たちに食事を提供する活動を支援している。

「トビラカフェでは『こういう活動をやっています』が伝わるように、メニューにしっかり“ストーリー”を書いていたり、従業員から店内を説明していたりします。コーヒーを飲みに来たというだけでも、来た人が『へぇ、こういうものがあるんだ』と興味を持っていただけるような工夫を頑張ってます」(山田果凜さん・以下同)

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■インドのストリートチルドレン「アルソン君」との出会い

 山田さんが貧困問題を解決したいと思うようになった理由は、小さい頃の体験にあった。タイで幼少期を過ごすも、勉強する意味が見い出せず、13歳頃に不登校になった山田さん。しかし、父親の出張で訪れたインドで「アルソン君」というストリートチルドレンと出会う。

「アルソン君は、5か国語が話せるとても賢い少年で『なんで話せるの?』と聞いたら『物乞いするために観光客から教えてもらった。ノルマを達成しない子は観光客が少ない地域にどんどん追いやられる。最終地点が病院で臓器売買をされる』と教えてくれた。『自分のノルマよりたくさん売って、ノルマが足りない友達に分けてあげる。そのためにいっぱい勉強して、いっぱい語学を覚えている』と言っていた。アルソン君の考え方に、共感して衝撃を受けた。アルソンくんを助けたいと考えたのがすべての始まりです」

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 ホテルに帰ってロビーですぐに「お父さん!アルソン君を養子にしてください! 私の学費を彼にゆずって」と訴えた山田さん。ホテルに偶然いた元国連のインド人の女性がそんな山田さんを見て「アルソン君が100人いたら、あなたはどのアルソン君を助けるの?」と聞き、山田さんを叱った。

 「頑張っている人を助けたい」という純粋な想いとは裏腹に、突き付けられた現実。山田さんは、問題解決の糸口を探すためインドの孤児院で1カ月のインターンに参加した。そこには「明日死ぬかもしれなかった子供たち」が環境に嘆くことなく、夢に向かって頑張る姿があった。

「そもそも孤児院に500人いることにまずびっくりしました。その500人の子供たちっは『明日死ぬかもしれない』という状態でレスキューされた子どもたち。名前も年齢も分からないので、身長で『大体この子は3年生かな?』とクラス分けがされている。小学校2年生のクラスで女の子が一生懸命勉強しているのを見て、彼女に『なんでそんな勉強するの?』と先生に聞こえないくらいの声でコソッと聞いた。彼女は満面の笑みで『楽しいに決まってんじゃん』と答えた。『私の村には50人友達がいる。彼女たちは勉強ができない。だからできることが少ない私は彼女たちを助けたい。今私は50人の仲間のために学ぶことができる。こんなチャンスをもらった人生、幸せじゃないわけがない』と。その言葉にすごく納得して『勉強ができない人がいるから、勉強をさせてもらえる私はその人たちのためにするんだ』と勉強する意味を見つけられたんです」

■中学がなぜか退学処分に? “一家離散”を乗り越えて

 しかし、山田さんが新しい道を歩もうとしたそのとき、思わぬ試練が訪れる。両親が離婚し、自分の知らない間に中学校を退学されられていたのだ。

「親がいなくなって、私と弟三人で逃げるように沖縄に移住した。それまでは自分がずっとボランティアをしてあげる側だったのが、してもらわないと生きていけない側になった」

 突如襲いかかった“一家離散”。この経験が山田さんを突き動かし、今の活動へとつながっていく。

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「単発的なボランティアではなく、根本的な解決をしたい」

 トビラカフェをきっかけに「貧困や社会問題に行動を起こせる人を増やしたい」と山田さんは話す。

「勇気をもって、アクションを起こせるような人材が増えないと、本当の意味で世界中の子供たちには届かない。SDGs(持続可能な開発目標)は人への“思いやり”だと思う。そのアクションをどうやって実行していくか。実行したいときに『じゃあ山田さんに相談してみよう』と、思ってもらえる人になれたらうれしい。身近に感じる違和感、問題に対して、アクションを起こしていけるような、誰かの背中を押すきっかけ作りをしたい」

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

【映像】突如襲いかかった“一家離散”―「コーヒー」でアフリカ・ルワンダを支援する女子大学生
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