憧れの先輩の背中を追って、輝く舞台へのきっぷを掴み取る。プロ麻雀リーグ「Mリーグ」の2020シーズン優勝チーム、EX風林火山のドラフト会議指名選手を決めるオーディションの準決勝が、7月12日からスタートする。予選6位の平良将太(協会)は、まだ放送対局の経験もほとんどない若手プロ。ただ身近な先輩がMリーガーであることで、最高峰リーグへの気持ちは、日々着実に育ってきた。「Mリーグはほとんどのプロが憧れている舞台。日本の麻雀界の将来を担う場所です」と、自分が目指す場所であるという意識は明確だ。
プロ入りしてから3年目。まだまだ駆け出しだ。「麻雀プロは、若い人が上に上がるのが難しい。このチャンスは千載一遇だと思います」。プロ団体のリーグ戦は、毎年数人ずつが昇級、降級を繰り返すのが一般的。デビュー間もない若手が最上位リーグに到達するまでには、数年単位の時間がかかる。全員参加のオープン大会で優勝しても、やはりベースとなっている団体最高峰タイトルが基準と考えられるのは今も昔も変わらない。
年月がかかるシステムを飛び越して、一気にスターダムにのし上がれるチャンスが、このオーディションだった。感覚よりも理詰めで戦うスタイルで「強気とか弱気とか、そういう感情はない」と、淡々と語る様子は、精神的なブレが少ないプロ向きの性格に見える。
そんな平良が尊敬するのが渋谷ABEMASで活躍する松本吉弘(協会)だ。同じ団体で、年齢も近い先輩雀士。「仲良くさせていただいています。Mリーグが終わった後、連絡が来ることもあります。全て正直にお答えしますし、間違っていれば間違っていると言います」と、麻雀に関しては先輩・後輩でも遠慮なく、持論をしっかりとぶつける。それだけに後輩の意見も素直に取り入れ、さらに活躍する松本がまぶしい。
家族の活躍も闘志を燃やしたきっかけだ。弟がeスポーツの代表的タイトル「スプラトゥーン」で3年前に日本一に輝いた。「ものすごく注目を集めて、家族からも称賛されて。すごくうらやましいなと思いました」。自分が日本一に最も近いものを考えた時、やはり「一番努力した麻雀しかない」と改めて思った。
自分から見れば、経験豊富な強いプロばかりにも見える。だが「麻雀において、この人が苦手とか、そういうことはない」と、自分の力が出せれば勝てない相手はいないという自信もある。「私のような若いものが活躍することで、世間からの注目を集めて盛り上げられるように」と、ニューヒーローとなる姿を思い描いて、その牌をしっかりと握る。
◆EX風林火山ドラフト会議指名選手オーディション
2021シーズンに戦力補強として選手の追加を発表したEX風林火山が、2020シーズンに発表した企画。Mリーグと同じく日本プロ麻雀連盟、最高位戦日本プロ麻雀協会、日本プロ麻雀協会、RMU、麻将連合のプロ5団体に所属するプロであればエントリーが可能。書類選考、予選会を経て8人が準決勝に進出。さらに4人が決勝に進み、優勝者が指名の権利を得られる。対局でのポイントのほか、ファンによる投票も加算される。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)