その自由過ぎる行動も、後輩への信頼の証し?プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Eリーグ第3試合、チーム渡辺とエントリーチームの対戦が7月17日に放送されたが、この第1局で渡辺明名人(棋王、王将、37)が、チームメイトの戸辺誠七段(34)の対局中、控室でアイマスクをつけて休憩するシーンが映し出された。これには思わず視聴者も「寝てる!?」「目隠し将棋w」と、直後から大騒ぎになった。
渡辺名人は、昨年の準優勝メンバーであり弟弟子の近藤誠也七段(24)をドラフト1巡目で指名。続く2巡目では、プライベートで弟のようにかわいがる戸辺七段を選んだ。チーム斎藤との第1試合では、ガチガチに緊張する戸辺七段に「ひどい将棋」「お茶飲め、お茶!」「期待してないから大丈夫」など、親しいからこそ言える“愛のダメ出し”を連発。この言葉の数々でほぐれてきたのか、戸辺七段は結局、2勝1敗と勝ち越しチームの勝利に貢献することになった。
予選通過、さらには首位での通過を目指して戦う試合で、初戦を戸辺七段に任せた渡辺名人だったが、ここでまさかの行動に。モニターにかぶりついて、序盤から叱咤激励するかと思いきや、映し出されたのはアイマスクをして完全リラックスモードになった。「向こうは?」と、対戦相手だった小林裕士七段(44)の様子を聞いたかと思えば、「これで20分ぐらい」と、目の疲労を取るのに専念。また、近藤七段からの「穴熊です」「△2四角と出られて、阻止されて」と報告を受けると「だいたいわかるんですよ、戸辺さんの手口は」「なんだよそれ、どうすんのそこで」と、盤を見ないまま感想を言い続けた。目隠し状態で検討する離れ業に、今度はファンも「目隠しプレイでも的確にw」「名人も、普通に怪物だな」と驚きの声を多数寄せていた。
しばらくして「あー、すっきりした」と、休養ばっちりという表情で起き上がると、この効果もあってか試合では2戦2勝と好調だった。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)