“萩生田文科大臣も熱い思いで頑張った” 一方、米子松蔭のようなケースは他にも…元JOC参事「オリンピックのプレイブックの積極活用を」
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 鳥取県高校野球連盟は19日、夏の県大会出場を「辞退」した米子松蔭高校について「不戦敗」を取り消し、出場を認めることを明らかにした。

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 今年春の県大会優勝校である同校は今大会で第一シードを獲得、優勝候補と目されていた。ところが初戦の前日の16日、部員ではない学校関係者の新型コロナウイルス感染が発覚。県高野連のガイドラインで、校内で感染者が出た場合は原則的に大会出場不可、ただし保健所により安全性が担保されれば出場できる場合もあると定められていたものの、保健所による濃厚接触者の確認などが午前9時の試合開始に間に合わず、やむなく学校側が“辞退”の決断を下していた。

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 この思わぬ結果に、野球部の主将とみられる生徒が「部員から陽性者は出ていません。試合もできずに、このまま終わってしまうのは、あまりにも辛いです」とTwiterに投稿したところ、この球児の悲痛な叫びは一般ユーザーのみならず、有識者や政治家、自治体をも動かすことになる。

 米子市の伊木隆司市長は「酌むべき事情があったのではないかという指摘も色々なところからいただいている」、鳥取県の平井伸治知事は「関係者の事情も聞いて再度熟慮していただくことはあってもいいのかなと考えている」と指摘。県高野連の田辺会長も「文部科学大臣も“何とか開催できないか”というような発言をなさった」とコメント。あす21日、境高校との試合が開催される運びとなった。

■萩生田文科相は“なんなんだ、なんとかしなければいけない”と

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 カンニング竹山は「“出られることになって良かったね”となっているけれど、ちょっと待ってくれよと思う。この生徒がツイートしたことで表沙汰になったわけだけど、大人たちはこの仕組みを知らなかったの?それとも見て見ぬ振りをして、放って置いたの?って思う。子どもたちは重症化する確率も低いんだから。“出られることになりました”って、ぬけぬけと出てくるんじゃないよ。他のチーム、競技、都道府県にも同じようなことはあるんじゃないか」と憤る。

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 ツイートを目にし「元高校球児として共感した」と話す内閣府大臣補佐官の小林史明衆議院議員(自民党)は「同様の問題は他にもあるが、まずはこの問題を止めないと、あらゆるところで同じような判断がされ続けるという強い危機感を抱き、菅総理と萩生田文科相に連絡をした。萩生田文科相には“子どもたちの機会を奪わないでほしいと言い続けて来たのに、なんなんだ、なんとかしなければいけない”と、熱い思いで頑張っていただいたと思う」と明かす。

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「文部科学省としては、あらゆるスポーツ団体や文化団体に対し、なるべく出場の機会を確保してほしい、代替の大会を開く場合は予算も付ける、という通知を去年から何度も出してきた。それなのになぜ高野連はこのような判断をしたのか。確かにルールでは、出場できるかどうかは保健所の判断を仰ぐということになっていた。しかし保健所が空いていなかったため、時間切れで仕方なく辞退させるということになった。判断を仰ぐというルールであれば、仰げるまで待つという選択があったはずだ。本来であれば政治がスポーツの運営に口を出すべきではないが、運用がルールに合っていなかったということもあり、判断がひっくり返ったのだと思う。

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 それ以前に高野連のガバナンス、組織の運営がどうだったのか、ルール自体が球児のためになっていたのかどうか。また、甲子園に関して言えば、そもそもこれだけ暑くなっているのに甲子園では過密日程の中で試合が行われていること、高校球児たちには放映権はなく、収益も還元されていないことにも関心があった。他の先進国を見ると、素晴らしいグラウンドで練習ができているのに、日本では“向こうには陸上部がいるから、レフトには強く打つな”みたいな状況ではないか。米子松蔭のようなケースは他の地域でも起きているし、スポーツ団体のあり方そのものも整理する機会にしないといけないと思う」と訴えた。

■元JOC参事「オリンピックのプレーブックの活用を」

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 元JOCの参事でスポーツコンサルタントの春日良一氏は「ルールはなんのためにあるかということだ。それはスポーツため、選手のため、今回の場合で言えば、高校球児のためだ。それがルールのために選手をコントロールするという、逆の方向へ行ってしまっている。そういう組織のガバナンスのあり方が問われないといけない」と指摘する。

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 「スポーツ大会とコロナとの戦いというのは0か100かではなく、リスクをどこまで許容して運営していくかという柔軟性、そしてそれを具体的に考えていかなければいけない。今回のオリンピックの場合、プレーブックというコロナ対策のための規定集がある。批判がありながらも、検討を重ねて第1版、第2版、第3版と改訂され続けている。例えば、濃厚接触者については、マスクなしでの15分以内の会話、ソーシャルディスタンス1m以内でなければ該当しないと、WHOの規定などに沿って定められている。

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 よく“オリンピックができるのに、なんで運動会ができないのか”という話になるが、オリンピックのためにやってきた努力を、今回のようなケースにも積極的に当てはめることはできたと思う。そうすれば保健所に頼らなくても独自に濃厚接触者が規定できたはずだ。頑張れば青少年のアマチュアスポーツでも対応できることだろうし、そのためにも先頭に立ってスポーツ界を引っ張っていくという使命がオリンピックにはあると思う。だからこそこんな状態でも頑張ろう、開催しようと言ってきたわけだ。今度は、逆にこれを利用していくことに努力を払うべきだと思う」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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