デカくて速い…イランからの刺客のボディ打ちミドルの破壊力に194センチの巨体が崩れ落ち、最後はフルスウィングの右フックを被弾。なす術もフリーズして天を仰いだ。
7月24日に後楽園ホールで開催された「Krush.127」。第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメント・準決勝、サッタリ・ウィラサクレック(WSRフェアテックス・イラン)とRUI(K-1ジム福岡チームbeginning)の対戦は、重量級ならではの1ラウンド2ダウンKO決着。相手がフリーズするパンチの破壊力に解説席も「これがヘビー級の日本人の階級との差」と絶望に近いコメントを寄せた。
イラン出身の大本命・サッタリは2戦2KO。しかも谷川聖哉と加藤久輝とK-1/Krushの重量級の代表選手を撃破してきた。一方、前回のクルーザー級トーナメント・ファイナリストで日本人離れした194センチの長身から繰り出す破壊力満点のヒザ蹴りが魅力のRUIは新たな外敵・サッタリへの最強の刺客といえる。
1ラウンド、サウスポーに構えたRUIはサッタリの序盤の猛打を避けるべく、いつになく距離を保ちながら慎重な入りをみせる。対するサッタリは、左、右とブンブンと振り回し当たれば“一発で”終わる雰囲気を醸し出す。両者のヒザとパンチがバチバチと交錯するなか、サッタリはボディ打ち、バックスピンキックと“デカくて速い”を体現した優れたフィジカルの片鱗を見せつけていく。
1ラウンド中盤、緊迫した攻防はあっけない形で幕を閉じる。コーナーに追い詰めたサッタリは右ボディ打ち。一発で後退したRUIのボディ目掛けて右ミドル。威力ある攻撃に思わずヒザを着いたRUIは最初のダウンを喫する。
なんとか立ち上がり得意の蹴りで反撃に出たRUIだが、ダメージから動きは鈍い。対するサッタリは冷静に右を狙い、剛腕の右フックを打ち抜きRUIから2度目のダウンを奪う。なす術なく倒れたまま、フリーズして天を仰いだRUIの姿からも、その破壊力の凄さがうかがえる。
試合を放送したABEMAのファンは「1人だけレベルが違いすぎる」「ガード越しでも倒れるのか…」「スピードが全然違う」とサッタリの強さに騒然。2分14秒とほぼノーダメージでの圧勝に解説の石川直生も「ウォーミングアップでしたね。想定外とあまり言いたくないですけど、RUI選手が準備していたものを上回るサッタリ選手の圧力だった」と漏らした。すると、その言葉を受けたゲスト解説の京太郎も「これがヘビー級の日本人の階級との差」と頷いていた。