2日、東京都が確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は2195人だった。先週の同曜日から766人増え、月曜日としては初めて2000人を超えた。重症の患者は前日から13人増えて114人になった。
【映像】“東京アラート”とは何だったのか? 「脅し文句」のインフレ化
ワクチン未接種世代における感染者数の増加に、BuzzFeed Japan News副編集長で『ルポ風営法改正』の著者・神庭亮介氏は「国民の危機感が薄らいでいる」と指摘する。
「脅し文句がインフレ化している。昨年から政府が『今が正念場だ』『瀬戸際だ』『勝負の3週間だ』と言い続けた結果、“オオカミ少年”状態になって、国民の感覚が麻痺してしまった。間違いなく今が最大の危機なのに、危機感が薄らいだまま、ここまで感染者が増えてしまった」(神庭亮介氏・以下同)
その上で神庭氏は、昨年6月に東京都が行った「東京アラート」に言及。新型コロナ感染への注意を呼びかけるために、お台場のレインボーブリッジを赤くライトアップさせた施策だ。
「当時の都内の新規感染者数は30人ほどだった。現在と比較するとかなり少ない。一斉休校や映画館の休業など、コロナ初期の段階で切らなくていいカードをたくさん切った結果、一番のピンチに危機感が伝わりにくくなってしまった」
そんな中、大阪市の松井一郎市長は7月30日、大阪府などに新型コロナ対応の緊急事態宣言が出されても「8月に予定されている市立中学校4校の修学旅行は実施する」と発表。「オリンピックもやっている。一生の思い出に残る行事は実施したい」と述べ、注目が集まっている。実際に生徒は全員出発前にPCR検査を行い、陰性の生徒だけが参加するという。松井市長の提言について、神庭氏は「感染対策としては良くない」とした上で「筋は通っている」と話す。
「『オリンピックもやっているから、修学旅行もやります』という松井市長の方針は感染対策としてはダメだが、少なくとも論理的には首尾一貫しており、筋が通っている。『オリンピックはやるけど、飲食や旅行は我慢してね』というのは矛盾したメッセージで、国民に危機感が伝わらない。日本中の人が『オリンピックもやってるし、別にいいじゃん』と一斉に緩和方向に動いたことで、感染拡大に拍車がかかった面は否めないのでは」
「もちろん、すべてが政府のせい、オリンピックのせいではない。単に意識が低くて路上飲みをしている人もたくさんいるだろう。医療現場のひっ迫が加速すると、新型コロナ患者の対応だけではなく、交通事故や熱中症など一般の患者にも手が回らなくなってしまう。感染拡大を防ぐため、今は複数人での会食を避けてほしい。一方で、ワクチンの効果は確実に出ている。政府や自治体は、高齢者以外の中年層、若年層への接種をさらに加速させる必要がある」(『ABEMAヒルズ』より)
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