豊島将之叡王(竜王、31)が8月3日、叡王戦五番勝負第2局で藤井聡太王位・棋聖(19)に161手で勝利、シリーズ成績を1勝1敗のタイに戻した。互角の序中盤を経て、終盤に入ったところでは劣勢で迎えたが、勝負手を連発し形勢逆転。最終盤では、藤井王位・棋聖から14連続で王手をかけられたが、間違えれば再逆転という中で全て回避。執念の逆転勝利を手にした。
【中継】叡王戦 五番勝負 第二局 豊島将之叡王 対 藤井聡太王位・棋聖
先手番から角換わりを選択した豊島竜王は「途中までまずまずうまくいっていた」という感覚はあったものの、そこから思うように引き離せず終盤に入ったところでは、逆にリードを許す展開に。「途中からはっきり苦しくなった気がします」と劣勢と察しながら差し進めつつ「他にやりようがなくて。無理攻めになってしまった感じ」という勝負手が徐々に効果を発揮。勝勢になってからも「結構危ない形。詰まないような気がしたのですが、はっきりわかっていたわけではないです」と振り返った。
最終盤では、藤井王位・棋聖から14連続で王手をかけられ、対応を間違えればその1手で逆転負けまである、非常に際どい勝負。わずかなミスも許されない局面で抜群の集中力を発揮し、大きな1勝を手にした。叡王戦第3局は来週9日、愛知県名古屋市「か茂免」で行われる。