藤井聡太王位・棋聖(19)が8月9日、叡王戦五番勝負第3局で、豊島将之叡王(竜王、31)に121手で勝利、叡王獲得に王手をかけるとともに、羽生善治九段(50)が持つ史上最年少での三冠(22歳3カ月)を大幅に更新する、史上初の「10代三冠」にあと1勝と迫った。前日までに4勝8敗と負け越していた相手に、中盤以降奪ったリードを拡大し続ける快勝ぶりにファンも驚いたが、さらに注目を集めたのが昼食で頼んだ「すっぽん」だった。
対局場となった愛知県名古屋市「か茂免」は、老舗料亭として知られる場所。高級食材を惜しみなく使った料理の数々は、地元だけでなく多くの客に愛されている。雰囲気も抜群の環境で、両者とも盤上に集中していたが、昼食で注文した「ぽんきし」という見慣れないメニューに、早くからファンが注目していた。
この「ぽんきし」は高級食材、しかも精がつくと言われるすっぽんのスープと、愛知の名産・きしめんを合わせたメニュー。コラーゲンもたっぷりでボリュームもあり、対局時には多めの食事を注文することで知られる藤井王位・棋聖の胃袋も満たされたことだろう。
このすっぽん効果もあったのか、藤井王位・棋聖は力強い指し回しで豊島叡王に快勝。3つ目のタイトルに王手をかけることになったが、対局後のインタビューでは「きしめんは名物の一つですけど、おそらくすっぽん自体は初めて食べた気がして、おいしく頂きました」と、人生初すっぽんだったことを告白。ファンからも「19歳ですっぽん食べるのか」「これが初めてだったの?」など、驚きの声が相次いでいた。
タイトル戦では、全国各地を転戦することも多い中、22日に行われる第4局も地元愛知での対局が予定されている。次回ははたしてどんな将棋めしで、最年少三冠へと近づくか。
(ABEMA/将棋チャンネルより)