アメリカの研究チームが、ファイザー製とモデルナ製の新型コロナワクチンについて、効果の持続性に関する新たなデータを公表した。
【映像】ファイザー製とモデルナ製に違い? 「デルタ株」の予防効果を比較(※グラフあり)
研究チームはミネソタ州のワクチン接種者と非接種者あわせて5万人超のデータを解析。その結果、デルタ型の感染割合が70%に達した今年7月時点で、予防効果はファイザー製で42%、モデルナ製で76%だったと公表した。同研究の論文は“査読前”だが、モデルナ製ワクチンと比較し、ファイザー製ワクチンの方が、感染に対する有効性の低下度合いが大きく出たと、研究チームは主張している。
実際に査読前の論文を読んだ、日本初の個人向け大規模遺伝子検査・解析サービスを手がけるGenequest(ジーンクエスト)の代表取締役・高橋祥子氏はこう述べる。
「もちろん、論文はファイザー社とモデルナ社のワクチンの違いについて書かれていたが、両方とも重症化のリスクが軽減できると強調されている。『ファイザー社のワクチンだから接種する意味がない』といった内容ではない。ここは誤解がないようにしていただきたい」
そもそも、査読前論文とはどのような論文なのだろうか。高橋氏は「インターネット上に公表できる論文で、第三者による査読を受けておらず、あくまで速報的な位置付けになる」と説明。その上で「論文の中にも書かれているが、研究結果が認められるためには、より大規模な集団かつ多様な人種集団における検証が必要だ」と話した。
まだ、論文の内容は第三者によって認められていないが、高橋氏によると、査読前の論文が公表されることは研究者にとってメリットもあるという。
「速報として論文が世の中に出ることで、その情報が次の新しい研究につながるケースもある。迅速に研究結果が公表されるのは、次段階の研究の参考になるという意味では、非常に意義があるものだ。ただ、発表された論文が査読前であり、あくまでも速報であることは報道においても言及されるべきだと思う」 (『ABEMAヒルズ』より)
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