ニューヨーク州知事“セクハラ告発”で辞意 トランプ氏と比べひろゆき氏「矛盾がよく分からない」
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 「私は自分の行動の全責任を負う」と10日、セクハラ疑惑の責任を取る形で辞意を表明したアメリカのニューヨーク州知事、アンドリュー・クオモ氏。市民から「誤った行動の責任を取ることは当然」といった声が上がる一方、新型コロナの感染対策で高い評価を得ていただけに、その辞任を惜しむ声も寄せられている。

【映像】「服に手を入れられて胸を揉まれた」女性から告発されたクオモ氏の衝撃セクハラ内容(11分ごろ~)

 去年6月、クオモ知事は「大統領、マスクをしよう」とトランプ大統領(当時)にマスク着用を呼びかけ、ワクチン接種についても「接種率70%とはどういうことか。我々が本来の生活に戻れるということだ」と市民に呼びかけるなど、知事としての手腕はバイデン大統領も高く評価していた。

 しかし、共に働いていたスタッフなど、複数の女性に対し、セクハラ行為を行っていたことが認定され、道半ばで知事の職を退くことに。クオモ知事は「私は他人に親しくしすぎて、そのユーモアが無神経であったり、不快感を与えてしまったのかもしれない。私の中では、だれに対しても一線を超えたという意識はなかった」と述べている。親しさの表現とセクハラの境界線はどこにあるのだろうか。ニュース番組『ABEMA Prime』では、専門家を交えて議論を行った。

■ 権力をモテと勘違い? セクハラ加害者の傾向に専門家

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 ハラスメント防止専門家の山藤祐子氏は「実際にセクシャルハラスメントをする人たちは、大きな権力を持っていて、そして自分が『モテている』と勘違いしてしまう傾向がある」と話す。

「権力とモテを同じように感じてしまう人はセクハラをしやすい。自分がムラムラしている気持ちがあるときは、相手もムラムラしているんだと思い込んでしまう。そういった傾向がクオモ氏にもあったのではないか」

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 山藤氏の解説を聞いた、ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「普遍的に起こる問題のような気がする」とコメント。今年2月に「女性が多い理事会は時間がかかる」などの発言で物議をかもした東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長の例を挙げ、「森前会長にもセクハラ発言があった。(権力があると)セクハラをしない人の方が少ないのではないか」と見解を述べた。

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 山藤氏は「実際、権力を持っている人みんながセクハラをするわけではない」といい、「企業の研修でいろいろな会社を見ているが、セクハラを行うのはあくまで一部の人。1割もいないと思う。今は『自分の行動がセクハラだと思われないか怖い』と思っている人の方が多い」と答えた。

■ トランプ氏のセクハラはOKなのに、クオモ氏はNG? 矛盾にひろゆき氏が疑問

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 クオモ氏は、同性婚の合法化、銃規制の厳格化に尽力、新型コロナの感染対策も含め、知事としての功績が評価されている。まさに、将来の大統領候補とも言われていた中、ニューヨークの一部市民からは「辞任はもったいない」といった声も上がっている。クオモ氏はセクハラ行為を否定しているが、なぜ今回辞任の道を選んだのだろうか。

 新規事業&イノベーションのコンサルタントとして活躍する建築家で、トランスジェンダーを公表して活動しているサリー氏は「クオモ氏が知事としてかなりの能力があったとしても、支持を得られなくなった時点で、それはもうアウトだと思う。今後の挽回は難しいと思ったのではないか」と話す。

「政治家は人に支えられて、人の意見をまとめていく職業。今回はクオモ氏が潔く辞任して、それはそれで騒動にケリがつくと思うが、報道で炎上して、そこから本人が反省した後、何を学んだか。それを社会に還元して、教えていくまでをセットにしてほしい。日本でもそうだが、炎上したらそこで終わりというのは悲しくないか。クオモ氏が今後どのように対応するか、多くの人が注目している。辞めて終わらせるのは、本当にダメだと思う」

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 サリー氏の見解を聞いたひろゆき氏は「元大統領のトランプ氏はアメリカで、国民からほぼ半分の票を得た。最終的にバイデン氏に負けたが、かなりの票数を得ている。女性から『性的暴行を受けた』と訴えられて、裁判をやっていることもみんなが知っているはずだ。隠し音声も残っている中、アメリカ人のほぼ半分が応援した」と指摘。同じように女性から性的被害を訴えられたトランプ氏とクオモ氏。2人にはどのような違いがあるのだろうか。

 脳科学者の茂木健一郎氏は「トランプ氏は、元々持っている人柄の認識と言っていることが一致している。しかし、クオモ氏のようなリベラルの立場で、立派な発言をしている人が実際、セクハラをやっていたと報道されるとギャップがありすぎる。ダメージはより大きいんじゃないかと思う」と述べた。

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 茂木氏の見解にひろゆき氏は「クオモ氏が許されないのに、トランプ氏が許される矛盾が分からない」と疑問。

「世の中にとっては『セクハラをしたら政治家はみんなアウトです』と周知してしまう方がいいと思う。リベラルでセクハラに敏感な人たちは辞めないとアウトだけど、セクハラを全然気にしない政治家ばかり残り続けるのはおかしくないか。結果として『セクハラOK』な政治家ばかりになってしまう。クオモ氏が許されないのに、トランプ氏が許されて支持者から寄付金ももらっている。この矛盾が分からない。セクハラがダメなら『全員アウト』でやるべきだと思う」

 実際にアメリカの捜査当局が認定したクオモ氏のセクハラ行為の内容を見ると、クオモ氏から恋愛関係の質問を頻繁にされただけでなく、ハグの際に服に手を入れられて胸を揉まれたといった証言もある。これに前述の山藤氏は「強制わいせつ罪にあたる。人の服の中に手を入れる行為は、ハグの中に入らない。何の言い訳も効かないと思う」と話す。

「職場では、線引きをして『しっかり距離を取ろう』と考える人の方が圧倒的に多い。トランプ氏に関しても反対派は確実にいて、やってきたセクハラ行為を許さない人もたくさんいる。許す人がいても、残りの半数はトランプ氏を支持しなかった。それが、今の結果につながっていると思う。政治家を辞めないからといって、世間から許されているとは言い切れない」 (『ABEMA Prime』より)

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