シャツの袖から見える太い腕も、服の上からでもわかる盛り上がった胸も、普段の努力の賜物だった。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」で、チーム広瀬のメンバーとして参戦している丸山忠久九段(50)は、名人2期を含むタイトル3期の実績を持つベテラン。さらに対局時の食事、おやつをたくさん食べる大食漢であることでも知られている。そんな丸山九段がリーダー広瀬章人八段(34)、北浜健介八段(45)とやって来たのが都内のジム。ここで50歳とは思えない怪力で、周囲を驚かせた。
プロデビューから30年以上経過し、50代に突入してもなお上位で活躍する実力と、若手をもしのぐ大食いぶりで愛される丸山九段だが、趣味としているのが筋トレ。対局時、ワイシャツの袖をまくった下から出てくる上腕の太さは、日々のトレーニングの成果であることがよくわかる。考慮の最中、この腕を直角に折り曲げ、肘と太ももの間に扇子で立てて支える「マッスルポーズ」もファンの間ではおなじみだ。
全員が早稲田大卒というメンバーで固めたチーム広瀬は、予選を通過し、いよいよ本戦トーナメントに向かうが、その前にさらに勢いと力強さを身につけようと向かったのがトレーニングジム。スクワット、ベンチプレスといった基本となるトレーニングに挑戦するが、リーダー広瀬八段は大苦戦。北浜八段も「これは厳しい」「全然できてない気がする」と悲鳴をあげた。ところが最年長の丸山九段は涼しくもにこやかな表情がまるで崩れないまま。ベンチプレスでも、他の2人が20キロで苦しむ中、ひょいと10回軽々と持ち上げ、さらに50キロまで増やしても「だいぶほぐれた感じ」と、まるで苦にしなかった。
では、丸山九段はどこまで上がるのか。北浜八段が「何キロになったんですか!?」と驚いた重量は90キロ。この時ばかりは気合を入れ、顔を紅潮させたものの、安定したフォームで10回クリア。動画には収められていなかったが、チームのTwitterでは「20年近くぶりに、ベンチプレス100kgに挑戦してきました」「結果は、6回2セットでした」と報告もしていた。インストラクターがいない状態だったため、まだ余力を残していたと思われる。
その回数から考えて、1回であれば115~120キロあたりまでクリアできそうなその怪力に、チームメイトも収録スタッフも、ただ驚くばかり。このパワーに支えられて、本戦でも力強い一手が飛び出すか。
(ABEMA/将棋チャンネルより)