在宅医療が危機的な状況に…IT起業家・関口舞氏は“体験談の活用”を訴え
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 新型コロナウイルスの入院病床がひっ迫する中、国と都は都内の医療機関に対し病床確保の要請に踏み切った。

 国と都は都内の全医療機関に対し、最大限の入院患者受け入れと、さらなる病床確保、さらに宿泊医療施設などへの医師・看護師の派遣を要請した。

【映像】入院400件受け入れ拒否 自宅療養の悲惨な現状

 在宅医療の現場はすでに厳しい状況で、東京・板橋区を中心に在宅医療を提供するやまと診療所の石川元直医師が遭遇したのは、糖尿病の基礎疾患を持つ50代男性が入院先を400件断られたケース。石川医師が男性宅へ駆けつけると、前日の13時から救急隊員が入院先を探しており、その間酸素ボンベで対応していたという。救急隊が入れ替わりで対応し、現場にいたのは6台目の救急車。石川医師によれば、男性は自宅療養できるレベルではなかったといい、「ルール違反だが、知り合いの病院に連絡し、無理やり1床あけてその方は幸い入院できた」ということだ。

在宅医療が危機的な状況に…IT起業家・関口舞氏は“体験談の活用”を訴え
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 このような現状に対し、IT起業家の関口舞氏は「現場の方が電話をかけ続けて入院先を探すという手法も、それを受ける人の時間も取ってしまう」と指摘。そんな中、海外の事例に参考にできる部分があるのではないかと話す。

 「本当に限界の状況だとは思うが、参考にできるといいなと思うのはイスラエル。デジタルヘルスが以前から伸びていて、1つ注目しているサービスが『ボカリス』というもので、声で診断する、息切れなどから肺疾患を診断するようなアプリを、国防省が支援して開発している。参考にしたいのは、陽性になってしまった人がたくさんのデータを自主的に提供し、今後の治療の参考にしていく仕組みを作っている部分。例えば、年齢や基礎疾患、ワクチン接種の有無、生活習慣などの情報から、“こういう経過を辿って軽症から重症になった”といったデータを共有して、生かしてほしい」

 前述の石川医師は、コロナ患者の悲惨な状況と日常とでは“別の世界”のような差があり、「ほとんどの方は当事者意識がない」と懸念を示している。関口氏は、情報を集約してアクセスできる場所が必要だと訴えた。

 「今はけっこう、有名人の方がTwitterなどで『コロナになってしまいました。こういう経過を辿って、こういうふうに苦しいです』と発信してくれているが、匿名でももっと発信して、それを私たちが手にとって、自分に近い状況の人はどのように病状が悪化したのかを見られるようにしてほしい。そういう意味で、テクノロジーの活用法はもう少しあるのではないか。皆さんがバラバラに、自主的にアップしているものを、どこかに集約してわかりやすく閲覧できるようにしてほしい」

(『ABEMAヒルズ』より)

「こんなことが日本で…」 自宅療養の現実
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