藤井聡太王位・棋聖(19)も思わずうなる名言の誕生だ。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」で、藤井王位・棋聖とチームメイトとなっている高見泰地七段(28)は、伊藤匠四段(18)と、チーム動画でディベート対決。MCを務める藤井王位・棋聖が見守る中、居飛車の戦型の一つ「相掛かり」について、絶妙な例えで周囲の棋士や関係者、ファンを納得させた。
【動画】藤井聡太王位・棋聖もうなった「相掛かりは角が窒息している」
高見七段は、叡王でタイトル経験もある実力のほか、将棋番組やイベントなどでも、巧みなトークスキルでファンを楽しませることで知られる人気棋士だ。このABEMAトーナメントでも、10代の棋士2人の中に「+1」で加わっているが、ムードメーカーとしても機能し、優勝に向けての勢いも高めている。
ディベート対決ともなれば、弁が立つ高見七段の主戦場という企画になったが、その実力は最初のテーマから出されることに。「戦法は矢倉、それとも相掛かり!?」というものに、迷わず得意戦法である矢倉を選択。伊藤四段が相掛かりになると、藤井王位・棋聖からも「これは聞かなくても、そうなるかなという風に思いました」と笑みがこぼれた。
高見七段は早速「しっかり型を作っていく、昔から続く、本当に純文学と言われる戦法です」と、その魅力と優秀さを熱弁。伊藤四段からも相掛かりの長所が語られたが、ここでカウンター気味に入ったのが、あるひとことだった。
高見七段 (相掛かりは)将棋って飛車と角が強いのに、なかなか角道を開けないのも自分からすると不思議な戦法だと思う。角が窒息してますよ、序盤から。
相掛かりは初手から飛車先の歩を伸ばしていき、角の横には金を近づけるという出だしの戦型。高見七段が推す矢倉も、初期配置では角道が止まるが、一旦下段に引いてから別のルートを辿ることで、破壊力のある飛車・角両方が序盤から使えるメリットがある。
この「角が窒息してますよ」が決定打となり、藤井王位・棋聖の判定も、この対決は高見七段の勝利に。「かなり見応えのある論戦だったと思うんですけど、高見七段の『相掛かりは角が窒息している』は、結構急所を突いた一撃だったかなと思います」と好評価。これには高見七段本人も「ありがとうございます!うれしいなあ」と大喜びだった。
さらにこの動画にはファンからも多数のコメントが寄せられ「角が窒息というワードセンス最高」「高見さんがチーム藤井にいてくれてよかった」「高見七段の配慮のあるトークが素晴らしい」と大好評だった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)