将棋界では破竹の勢いで勝ちまくる藤井聡太王位・棋聖(19)だが、食事における“天敵”への警戒心も、この上なく強いものだ。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」でリーダーを務める藤井王位・棋聖は伊藤匠四段(18)、高見泰地七段(28)と本戦トーナメントに向けた動画を収録。伊藤四段と高見七段がディベート対決するものだったが、テーマの一つ「将棋めし」で、東京の将棋会館では人気となっている洋食ランチについて「自分にとっては唯一の懸念」と語ったのが、キノコの有無だった。
藤井王位・棋聖が食べれば、翌日にはファンが殺到し売り切れ続出になることもある「将棋めし」。デビュー直後からの連勝で巻き起こった「藤井フィーバー」の真っ最中には、ファンが食べすぎて売り切れたため、当の本人が注文できなくなったという珍事も起きたことがある。
ディベート対決で伊藤四段が推したのは、藤井王位・棋聖も頻繁に注文する「鳩やぐら」。「自分も結構、伊藤さんと同じで鳩やぐら派です。メニューの種類が多いので、鳩やぐらのページを見るのが、一番間違いがない。他の店も見出しちゃうと、なかなか決められなくなっちゃうので」と、すらすらと理由を述べていた。
ただ、ここに一石を投じたのが高見七段の推した洋食店「ル・キャレ」だ。「ル・キャレは長らく和食、あと中華ばかりだった東京に初めて来た洋食なんです。木曜日はハッシュドビーフだったり、月曜日から何日かはビーフストロガノフだったり。あとは日替わりランチ。日替わりの楽しみはル・キャレじゃないと味わえない。洋食として初めて来た『黒船』みたいな存在」と熱弁を奮った。
藤井王位・棋聖も、周囲の棋士が注文をしていたことは把握しており、ル・キャレは気になる存在でもあった。ただ、出前に踏み切れなかったのが、関係者・ファンの間では有名な「キノコ嫌い」だった。
藤井王位・棋聖 ル・キャレで気になっているのが、ハッシュドビーフとビーフストロガノフのメニューに、キノコが入っているんじゃないかってことなんです。
関西将棋会館で対局する際は、同じ建物に入っている「イレブン」のバターライスを頻繁に注文するが、この時も中に入っているマッシュルームは抜いてもらうほどの警戒ぶり。洋食は魅力だが、苦手なものを我慢してまで注文することもない。
これに高見七段が「私の検知力では、検知されませんでした。ハッシュドビーフは入ってなかったと思います。煮込みハンバーグにはキノコ入ってたかな」と答えると、藤井王位・棋聖もホッとした表情に。「ハッシュドビーフにキノコが入っていないという情報を聞けたのが結構大きかった。それが自分にとっては唯一の懸念で頼んでなかったところがあるので、今度自分も頼んでみようかと思います」とにこやかだった。
なお、この収録の後まさに有言実行としており、12日に行われた竜王戦挑戦者決定三番勝負の第1局ではル・キャレのハッシュドビーフを注文、見事に勝利している。
(ABEMA/将棋チャンネルより)