なぜ夏休み明け9月1日に子どもの自殺が増える?身近な友人や大人ができる「15秒の気配りと3分の雑談」とは
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 過去の統計から、例年9月1日は、1年の中で子どもの自殺が最も多い日とされている。コロナ禍の2020年は自殺した小中高生が過去最多の479人にものぼっている中で、子どもの自殺をどのように考え、どう予防すればいいのか。臨床心理士で明星大学心理学部准教授の藤井靖氏は、次のように分析する。

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 「最近は、必ずしも9月1日から2学期が始まるわけじゃないので、8月下旬から9月上旬にかけての時期というのは、特に要注意。学校がつらい子、なかなか行きづらい子というのは、夏休みで学校に行かない時間ができて、その中で自分を客観視したり先のことを考えてしまう心境になる。そうすると、今年度はまだ半分以上残っていて、クラス替えとか自分にとっての環境が変わることは、本人の実感として遥か先のこと。先行きが長いことに対してポジティブなイメージを持てなかったりすると、『もう耐えられない。逃げたい。消えたい』となってしまうこともある。子どもの自殺を防ぐために僕らができることを考えないといけない。

 キーワードとして、『15秒の気配りと3分の雑談』といつも言っている。自殺の予防や対応は、僕ら専門家はもちろんやるが、それだけでは限界がある。より問題が小さい段階でどう予防していくかというと、やはり周りの家族や友人との関わり・つながりの中でまずは気づくことが大事。

 そういう意味で、気になる子がいた時に、その子のことを15秒考えてみる、15秒連続で様子を観察するというのを毎日、あるいは思い出したときに繰り返していると、ちょっと昨日と違う、様子が変だ、と違いに気づくと思う。これは身近な人にしかできないこと。

 それがあったら、3分というのは目安だが、悩みを聞くだけでなくどんなことでもいいので、日頃のニュースや今日あったことを共有するとか雑談をする。話を聴くだけじゃなく、内容はなんでもいいので話しかけることで様子を見るのもいい。すぐに核心的なことを話すことにならなくても心が和らいだり、繰り返していれば次に話すきっかけになることも少なくない。コロナ禍でただでさえ子どもたちの活動やコミュニケーションが制約されている中、子どもの心身の安定を考える上で、身近な人の存在はさらに重要になっていることを認識していただきたい」

(『ABEMAヒルズ』より)

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