将棋の藤井聡太王位・棋聖(19)が8月30日、竜王戦挑戦者決定三番勝負の第2局で永瀬拓矢王座(28)に77手で勝利、シリーズ2勝0敗の成績で豊島将之竜王(叡王、31)への挑戦権を獲得した。竜王挑戦は初だが、豊島竜王とは王位、叡王に続く今期3つ目のタイトル戦に。2016年12月のデビュー戦、史上最多の29連勝など、本人にも思い出深い竜王戦という棋戦でのタイトル挑戦に「最高峰の舞台にふさわしい将棋を指したいです」と抱負を語った。会見の内容は以下のとおり。
【中継】竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第二局 藤井聡太王位・棋聖 対 永瀬拓矢王座
――本日の対局はどのような対局でしたか。
序盤からバランスを取るのが難しい将棋だったのかなと思います。その後激しくなったんですが、そこで結果的にこちらの玉の遠さが活きる形になった気がします。
――竜王戦の挑戦権獲得は初です。
竜王戦は決勝トーナメントにはこれまでも出ていたのですが、なかなか結果を残せていなかったので、今期挑戦という結果を出すことができたのは、とてもうれしく思いますし、七番勝負も盛り上げられるように、精一杯戦えればと思います。
――豊島竜王とはタイトル戦が続いています。どのような棋士ですか。
豊島竜王は、序盤の研究がとても深くて、その上で中終盤でも局面の急所を的確に常に捉えられている印象があります。
――七番勝負への抱負をお願いします。
竜王戦は王位戦と同じ持ち時間ですが、王位戦では序盤で遅れを取ってしまうような展開の将棋が多かったと思うので、そのあたりを修正して、熱戦にできればと思っています。
――竜王戦に対する印象は。
竜王戦というとデビュー戦からすごくいろいろな対局があって、いい経験をさせてもらっている印象があります。竜王戦で、印象に残る対局はとても多いので、将棋界で最高峰のタイトルでもありますし、自分にとっても思い入れのある棋戦です。竜王戦については就位式も、これまでランキング戦の優勝者として参加させていただいたんですけど、その中で竜王というものに対する気持ちは年々強くなったので、挑戦する機会を得られたのは、うれしいことだと思っています。
――王位戦の反省とはなんでしょう。
内容的には押されていた印象があるので、今回の竜王戦ではそこを修正していかないと厳しいのかなと思っています。
――結果が4勝1敗であっても満足はしないということですか。
防衛できてうれしいという気持ちもとてもあるんですが、結果と内容は別なので、反省すべきところはしっかりする必要があるのかなと思っています。
――デビュー戦、29連勝など、竜王戦はファンにとっても印象深いものが多いです。
デビュー戦の加藤一二三九段との対局も印象深いですし、話題にしていただいた手も、竜王戦だったので、そのあたりの対局は自分にとっても印象に残っています。
――19歳で最高峰の舞台に立つ思いをお願いします。
最高峰の舞台なので、それにふさわしいという将棋を指したいという気持ちはあります。相手が豊島竜王なので、またこうして番勝負で対戦できるのはうれしいことです。(年齢は)意識せずに、自分にとっていいものにできればという思いと、ファンの方に楽しんでいただけるように、という気持ちが強いです。
――改めて意気込みをお願いします。
今日の結果で竜王戦に挑戦することができました。自分としてもとてもうれしく思っています。開幕までにしばらく時間があるので、しっかり準備をしていって七番勝負を盛り上げていければと思います。
(ABEMA/将棋チャンネルより)