愛知の“密フェス”騒動「主催者はチンピラみたいなもの」音楽関係者が怒り 「自粛は要請、基準も曖昧」問題点も指摘
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 先月28日と29日、緊急事態宣言下の愛知県常滑市で行われた音楽フェス『NAMIMONOGATARI』が、来場者が密で酒盛り状態であったことが明らかとなり非難を浴びている。2日木曜日にはコンサートプロモーターズ協会など、音楽4団体が「過去1年半におよぶ国・自治体などと構築してきた信頼関係を破壊し、医療従事者や関係当局の皆様のご苦労を台無しにする暴挙」など、主催会社を厳しく非難する声明を出す事態に至っている。

【映像】愛知“密フェス”「主催者はチンピラみたい」

 同フェスには観客上限5000人に対しておよそ8000人以上が集結。肩と肩が触れ合うほど密状態の観客たちが、あちらこちらでお酒を飲む姿も確認されている。イベントを主催した会社は「酒はひとり2杯まで」と説明。しかし実際には、VIP席では200人近い人がおり、サーバーに入ったビールやサワーが何杯でも飲める状態にあったという。

 この信じ難い出来事。オフィシャルホームページには「過度の飲酒でなければ酒類の提供も可能」と書かれていたが、愛知県の大村知事は「そのような事実はない」と否定し、憤りを露わにしている。さらに県は開催前日までに4回にわたって酒類の提供自粛を要請していたとする内部文書を公開。これに対して、主催会社の代表は「ここまでの大騒ぎになると想定できなかった」などとしていたオフィシャルホームページ上のお詫びと経緯を削除した。

 誹謗中傷は出演者の家族にまで飛び火。同フェスに出演したラッパーのMC TYSONさんは自身のインスタグラムで「日本中のみんなが自分のことを叩くのはかいまいませんし、批判されていることをしてしまっている自分に非があるので全てを受け止めます。ただ、DM等で自分の妻や、息子達に対して死ねや、殺すぞ等、の心ない言葉に関してはとても残念に思います」など明かしている。

愛知の“密フェス”騒動「主催者はチンピラみたいなもの」音楽関係者が怒り 「自粛は要請、基準も曖昧」問題点も指摘
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 一連の出来事に対して5日、ABEMAABEMA的ニュースショー』に出演したガガガSPやかりゆし58などが所属する音楽事務所を経営し、ライブハウスやカフェ・レストランなども運営するLD&Kの社長である大谷秀政氏は、同フェスの主催者に対して「チンピラみたいなもの」と断罪すると、次のように述べた。

「うちは業界4団体のうち、3団体に入っている。うちだけでライブを年間2000本以上制作している。この人たちは団体に入っておらず、言ってしまえばチンピラみたいなもの。なぜ騒ぎになることを想像できなかったのか。イベント自体をナメている。ウチらは1年半、クラスターを出さずに厳しい条件でやっている。音楽文化をなくしてはいけない、仕事自体をなくしてはいけない。業界自体を守ろうということでやっている。今までやってきたことが水の泡だ。この結果を受けて、色々なところのフェスが中止になっており、影響が出ている」

 一方、大谷氏は“自粛要請”に対して「問題としては、国も県もそうだが、基準が曖昧だ。自粛はあくまでも要請なので、こういう人たちが調子に乗ってやってしまう可能性がある。5000人のところを8000人入れたということだが、キャンセルに応じなかったことも問題だ」とも。

 批判の矛先が向いている出演者については「(運営実態を)知らなかった人は知らない。行って、ふたを開けてみたら『何だコレ』ということだと思う。急に現場に行って『出ません』というわけにはいかないだろう」などと話し、出演者サイドの難しい立場に一定の理解を示した。

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