「(自分が)寝たら目が覚めず子が死んでしまうかもしれないと思い起きておくことに」
「万が一のことを考え自分の腕に子供のこと母子手帳の位置をマジックで書いた」
【映像】女性が自宅療養中に使った酸素濃縮装置(画像あり)※3分ごろ~
これは、新型コロナウイルスに感染した女性が自身のTwitterに投稿したツイートだ。女性は大阪在住で、生後6カ月の赤ちゃんと一緒に自宅療養中だった。
■「“赤ちゃんと”は想定していません」 濃厚接触者で親戚にも預けられず
先月20日、女性の夫が、新型コロナウイルスの陽性が発覚し、入院。女性も検査したところ、陽性が明らかになった。体調が悪化したため保健所を頼ったものの、子どもが検査していないことを理由に受け入れ先が見つからない状態が続いた。
「一番びっくりしたのは、お母さんが(陽性に)なって、お父さんがもう入院していて『“赤ちゃんと(入院)”という想定はしていません』と、保健所の人にはっきり言われたときです。『ええ!?』っと思いました。子供と母親が入院するケースが考えられていない、これってどういうことなんだろうと、一番納得がいきませんでした」
一家で濃厚接触者にあたるため、子どもを高齢の両親に預けることも難しかったという。結局、女性は一人で40度を超える熱と咳の症状に苦しみながら、子どもの面倒をみていた。
「何時にミルクをあげたのか、だんだんわからなくなってくるんです。紙に書いたりしていたけれど、それも熱のときって『今何時なんだろう?』って。一人でだんだんそういう感じになってきて。(外が)暗いから『夜なんだ、ミルクあげなきゃ』とかけっこうありました。おむつも替えないと、ぱんぱんになってくる。中からゼリーみたいなのが出てきて『これはやばい』と。子どものお風呂もうまく入れられなくなっちゃったりして」
■「乳児を検査してくれる病院を…」高熱と咳に苦しみながら自力で病院探し
「子どもも陽性と確認できれば、一緒に入院ができるかもしれない――」
そう考えた女性は自力で乳児を検査してくれる場所を探した。
「乳児は粘膜が弱いので、本来鼻からの検査をやっちゃいけないらしく、私を検査してくれた近くのクリニックの先生に『本当に死んじゃうから助けてください』と言って。一回断られたのですが、無理やり往診で来てもらいました」
検査結果は陽性。ようやく女性は子どもと2人揃って入院できた。コロナ禍の出産、その後の陽性発覚の経験から、女性は受け入れ先の問題以外にも実感したことがあるという。
「ワクチン弱者というか、そもそも“後回し”になっている年齢なんです。ただ、ワクチンを打つだけなのにハードルが高すぎます。ここ1~2年で生んだママ世代の人は“置いてけぼり”になっていて、妊婦さんは(ワクチンの優先接種が)始まりましたが、コロナ禍で出産した女性たちはワクチンを打てていない人ばかりだと思います。自分が陽性になったら子供の預かり先を見つけなければいけません。個人的な伝手(つて)を探すしかないのかな、と思っています」
女性が語った実体験に、NTT東日本関東病院で働く医師のニコラス・レニック氏は「中等症であっても本人の症状としては重症。肺炎の症状もあり、40度の発熱の中、生後6カ月の子どもの世話は本当に大変だ」とコメント。
未だワクチン接種の“置き去り”になっている子育て世代について「私にも小さい子どもが3人いるが、想像以上に赤子の世話は大変だ。『若いから待てる』という考え方ではなく、ワクチンが必要な世代に寄り添った柔軟性のある対応が必要だと思う」と課題を訴えた。(『ABEMAヒルズ』より)
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