“zeroコロナ”は実現できる? 立憲が目指す1日50人の新規感染…政調会長「withコロナの感覚では減らない」
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 自民党の総裁選挙は構図がほぼ固まり、各候補の活動が本格化している。10日に総裁選への出馬を正式に表明した河野行政改革担当大臣は「少しずつ手を伸ばしていけば、いずれは星にだって手が届くかもしれない。みんながそう思ってくれるようなリーダーになりたい」とコメント。岸田前政調会長、高市前総務大臣に続く3人目の出馬表明となった。

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 一方、野党第一党である立憲民主党は、緊急事態宣言延長を受けて、追加の給付金や医療体制の強化などを求めた緊急提言を発表。枝野代表は「(河野大臣には)まずは総裁選挙の前にワクチン担当大臣として、こうした状況に答えを出していただきたい。総裁選挙よりもコロナ対策だ」と要求した。枝野内閣で実行する7つの項目に、コロナ対策の司令塔設置や森友・加計学園・桜を見る会の真相究明などを掲げ、政権交代を目指している。

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 ニュース番組『ABEMA Prime』に出演した立憲民主党の泉健太政調会長は「政府の対策は、新型コロナの患者が増えれば緊急事態宣言。減れば解除。これを繰り返してきただけだ」とコメント。

「感染者数が下がってきたときに、ただ緊急事態宣言の解除を視野に入れるのではなく、医療機関と保健所がちゃんと機能を発揮できるように整えないと、またいずれ増える。その繰り返しだ。緊急事態宣言の延長において『飲食店の皆さんは守ってほしい。そのために我々政府はこういうことをする』と追加の支援が必要だ。二の矢、三の矢なしに、ただ“月末まで延長”は、本当に効くのか、果たしてどれくらい改善するのか疑わざるを得ない。我々立憲民主党は、下がってきている局面だからこそ、この後3週間、みんなで協力し合って、支援も追加して、人流を抑えて、患者数を減らすといった提案をしている」

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 具体的にどのような支援を考えているのだろうか。泉氏は立憲民主党が提言するコロナ支援策について「低所得者世帯などへ1人あたり10万円を1回出すと約12.7兆円かかる。前回の一律給付では、3分の2ぐらいが貯蓄に回って使われなかった。それを考えると、大切な税金なので効果的に使っていきたい。一律という考え方も確かにあって迷ったが、低所得者向けにした」と説明。医療体制を整えた上で、住民税非課税世帯と新型コロナによって生活が急変した世帯には給付金を出すという。

「立憲民主党が掲げている“zeroコロナ”戦略では『東京の新規感染者数が50人ぐらいになるまで、緊急事態宣言は続けるべき』と言っている。これは、かなり高いレベルだ。ただ、そこまでいくと、各保健所が一人ひとりの患者を追いかけていくこと、疫学調査がしっかりできるようになる。今、疫学調査は5日から1週間待ちが当たり前だ。PCR検査も判定が来るまで時間がかかっているケースもある。これでは、検査している意味がない状態だ」

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 現状を「“withコロナ”の感覚では、なかなか減っていかない」と分析する泉氏。泉氏の説明に、番組司会進行を担当するテレビ朝日平石直之アナウンサーは「1400万の人口がいるところで感染者50人はリアリティがない」と指摘。「島国の“島”ではない。東京は陸の移動も大きい。1都3県と言うぐらい、神奈川・千葉・埼玉からの出入りも多い。1日50人は現実的なのか」と疑問を述べた。

 台湾では、5月中旬から変異株による新型コロナの感染が急拡大していたが、すでに抑え込みに成功。日本でも同じような対策はとれないのだろうか。ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「うかつに台湾の成功例を出すと誤解を招く」と話す。

「台湾の場合は、自宅療養の人が外出したら罰金が課せられる。外国から来た人も隔離中にホテルの部屋を出たら罰金が課せられるので、それくらい厳しい処置があるから感染者を減らせた。『台湾のように減らす』と言うと『日本で同じような法律を作るのか?』という話になる」

 ひろゆき氏の質問に泉氏は「50人を目指すが、それだけが基準ではない」と回答。「ウイルスの強さは一定ではく、変異株も変わってくる。我々は“3週間”と提言で言った。基本的にウイルスの生存期間が2週間ということ、まず3週間やってどの程度下がるかを見ないと次の対策は打てない」と述べた。

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 ここで、テレビ朝日政治部野党担当の今野忍記者が「泉さんも本当は困っている。zeroコロナと書いてあるのに、下に小さく『ウイルスをゼロにすることではありません』というと、これはただの注意書きになる。『zeroコロナ』が『zeroウイルス』と誤解されると、立憲民主党にとして選挙をやるのに説明に困ると思う」と意見する。

 この今野記者のフォローに泉氏は苦笑。「zeroコロナ=ゼロウイルスの考え方に立ったらおかしい話になる」と認めた上で「東京の新規感染者を1日50人以下にする“目標”をもってやるということだ」と述べた。

 さらに、泉氏は「自民党の岸田前政調会長が考えている政策は、立憲民主党の訴えていることとほぼ一緒」とした上で「“岸田4本柱”を読むと『連立を組めるのではないか?』と思うことすらある」と含み笑い。実際に連立を組む可能性はあるのだろうか。

「それは岸田さんが乗り気であれば、あり得ると思う。岸田さんが今言っていることは、今まで自民党がほとんどできなかったことだ。自民党にいて今やれないことを総裁になって本当にやれるのかな、という気もする。高市さんはやっぱり安倍さんの応援を得て、それがどれぐらい広がるか。河野さんはこれからどんどん人気が上がっていくだろう。国民の人気が集まる河野さんを応援しようと、選挙前に多くの議員たちが、なびく可能性がある。その流れをみると、やはり一番爆発力を持っているのは河野さんだろう」

「菅さんは不出馬を発表したときに『コロナ対策と総裁選は両立できない。だから自分は専念する』と言った。これは菅さん1人の宣言ではなく、本来、内閣の宣言でなければいけないと思う。河野さんがワクチンを離れるのか離れないのか。離れる場合、継続性はどうなるのか。厚生労働省の方と話すと、ワクチン戦略でもかなり河野色が打ち出されている。これを引き継げる人がいるのか、継続性が心配だ」

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 総裁選に立候補した河野大臣について、今野記者も「圧倒的に国民人気がある」とコメント。

「菅さんが出馬するだろうと思われていたとき、枝野さんは『自分は日本のバイデンになる』と周囲に言っていた。バイデン氏は、人気があってアメリカ大統領選挙に勝ったわけではない、と。要するに、トランプ氏がダメだから『トランプ氏でなければいい』といった流れで、バイデンさんが選挙に勝った。だから、同じことを枝野さんも狙っていた。それが枝野さんの戦略だったが、菅さんが不出馬になったことで、戦略をかなり変えていかなければいけないだろう」

 自民党総裁選の影で、総選挙に向けた準備を着実に進めている野党。まずは、9月29日に投開票が行われる自民党総裁選で、どのような結果になるか、行く末が注目されている。 (『ABEMA Prime』より)

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