将棋の叡王戦五番勝負の最終第5局が9月13日に行われ、豊島将之叡王(竜王、31)が挑戦者の藤井聡太王位・棋聖(19)に111手で敗れ、叡王のタイトルを失った。カド番に追い込まれた第4局では完勝し、2勝2敗のタイに戻してフルセットに持ち込んだものの、タイトルを決する第5局では、息詰まる中盤から徐々に離され敗戦。終局後には「強い棋士と指して課題がたくさん見えました」と語った。
【中継】叡王戦 五番勝負 第四局 豊島将之叡王 対 藤井聡太王位・棋聖
藤井王位・棋聖に対して「天敵」として立ちはだかってきた豊島叡王だが、今年度2つ目のタイトル戦でも、厳しい結果を突きつけられた。決定局は振り駒の結果、後手番を引くと、両者の対局としては4局連続となる相掛かりに。出だしこそ早い指し手が繰り返されたが、序盤・中盤とお互いじっくりと時間を使い、持ち時間が40分を切ってもなお終盤に入らないという、息詰まる進行となった。
ただ、少しずつポイントで遅れを取り始めた豊島叡王は、最終盤に藤井王位・棋聖から鋭い寄せの手を出されると、そこからの挽回も難しく、最後は即詰みになる形を悟りながら、投了の言葉を発した。
お~いお茶杯王位戦七番勝負と合わせ、並行して2つのタイトル戦を戦う「ダブルタイトル戦」として注目されたが、王位戦は1勝4敗で挑戦失敗、叡王戦は2勝3敗で失冠という厳しい結果に。デビュー直後から6連勝をしていたが、本局を含めて9勝8敗と対戦成績でも完全に追いつかれた。
終局後、豊島叡王は「途中までは結構難しかったと思うんですが、8四銀と引かされる展開になって苦しいのかなと。その前の手順に問題があったと思います」と振り返ると、シリーズ全体については「苦しい将棋が多かった印象です。やっぱり、強い棋士と指して課題がたくさん見えてきました」とコメント。ダブルタイトル戦、計10局に関しては「勉強になった10局だったかなと思います」とした。
10月からは竜王として、またしても藤井王位・棋聖との対戦が控える。今度失冠すれば、無冠にもなるだけに「短期間で修正できるところはして、1カ月準備をして頑張りたいと思います」と、次なるタイトル戦への意気込みを語っていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)