今、将棋界の中で最も熱い開運アイテムは「パワーストーン」かもしれない。9月13日、叡王戦五番勝負の最終第5局を制し、最年少19歳1カ月で三冠を達成した藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖、19)。かつて「天敵」とも呼ばれた豊島将之竜王(31)を下してのタイトル奪取に、日本中の将棋ファンが沸きに沸いた。10月には、またもこの両者が竜王戦七番勝負を行うが、藤井三冠の四冠なるか、豊島竜王が意地を見せて阻止するかが、早くも注目されている。これと同時に注目され始めたのが、深浦康市九段(49)が用いたというパワーストーン。これを使った効果で、藤井三冠に勝利したというから、将棋好きにとってはこれ以上ないグッズとなっている。
深浦九段がパワーストーンで将棋界の話題になったのは、開催中の超早指し団体戦「第4回ABEMAトーナメント」でのこと。準決勝でチームのリーダーを務めた藤井三冠と、チーム菅井のメンバーである深浦九段は、9本勝負の第1局でぶつかった。この対局前、妻から験担ぎで渡されたパワーストーンを抱いて寝たという深浦九段は、超早指しでも突出した強さを見せる藤井三冠に快勝。その絶大なる効果で、視聴者も大盛り上がりになった。また、第4局でも両者は再戦したが、この一局は藤井三冠が勝利。パワーストーンの効果は「1個に1勝分か」ということでも盛り上がった。
深浦九段が藤井三冠に勝利したのは、叡王戦第5局の2日前。この第5局を深浦九段は、チーム藤井のメンバーである高見泰地七段(28)と解説していた。当然、話はABEMAトーナメント、そして例のグッズの件に。高見七段から振られることなく、深浦九段は自ら切り出した。
深浦九段 パワーストーンを前日抱いて寝たんです。家内が旦那の窮状を見かねて。1勝もできない状態なんで、とにかく何かにすがる気持ちでやったらいいんじゃないと。抱いて寝たんですけどね。
実は深浦九段、この大会で予選、本戦通じて一度も勝てていなかった。チームに迷惑をかけ続けているという責任から「泣きたくなりました」とまで言っていただけに、このグッズの効果(?)によって藤井三冠に勝ったのだから、ネタにならないはずもない。
ユーモア溢れる高見七段から「(パワーストーンに)すがって勝てる相手じゃないですけどね(笑)。市販される予定はあるんですか?弟子の佐々木大地五段にあげるとか」と突っ込まれたが、深浦九段は笑いながら「えー、佐々木にはちょっともったいない」と答えていた。
このやり取りにファンからは「ご利益すごかったもんな」「もったいないんかーい」「奥さんが素晴らしい話ってことねw」「弟子にきびしいw」など、様々な笑いのコメントが寄せられたが、令和の天才棋士に対して少しでも勝率が上がるようなものなら、日本中の棋士や将棋ファンからがこぞって欲しがることだろう。
(ABEMA/将棋チャンネルより)