南米勢との対戦は2020年にまでさかのぼる

ワールドカップ・カタール大会を戦う日本代表は6月にブラジル戦を含む計4試合のテストゲームを予定している。まだ本戦までは5カ月ほどの時間はあるが、選手が集まってトレーニングする時間はあまり残されておらず、ここでの4試合が重要となる。

サムライブルーはまず2日にパラグアイ代表と対戦する。前回対戦は2-0と勝利しているが侮れない相手であり、南米予選では8位とカタール行きは逃したが、リオネル・メッシ擁するアルゼンチン代表と0-0で引き分けるなど堅守を見せた。

そんな堅守を崩すにはセンターフォワードの人選が重要になる。今回は大迫勇也が呼ばれておらず、古橋亨梧、上田綺世、浅野拓磨の3人が選ばれている。この4戦で3選手共に出場機会を与えられると予想できるが、初戦は誰になるのか。

まず見たいのは鹿島アントラーズの上田だ。アジア最終予選の終盤から代表に定着しつつある選手で、直近のベトナム戦では先発だった。その試合ではノーゴールだったが、2022年シーズンの鹿島では得点を量産。16試合で10ゴールを決めており、すでに二桁得点に乗せている。代表に合流する最後のゲームは残念ながら1-3とFC東京に敗れてしまったが、鹿島で唯一のゴールを決めたのが上田だ。相手を完全に崩したシーンではなかったが、際どいコースに正確なシュートを放っており、上田の好調さが分かるシーンであった。今乗りに乗っているストライカーで、彼が日本の決定力不足を解決することになるのか。

好調といえばセルティックで今季大活躍だった古橋もそうだ。怪我に悩まされたシーズンとなったが、それでも33試合で20ゴール5アシストを記録。同じく日本人プレイヤーの前田大然らと共にセルティックのリーグ優勝に貢献している。彼の強みはその動き出しであり、DFの視野の外にポジションを取るのが上手い。狭いボックス内でも動くことでシュートを打つスペースを生み出しゴールを奪う。

上田、古橋共に素晴らしい選手であり、どちらも好調と優劣をつけるのが難しい2人だが、背負えるという点では上田が抜けているか。前任者の大迫はこの相手を背負うという明確な武器を持っており、森保監督がCFに求めているものだといえる。

この3人の中でいえば浅野は今季それほど成績を残せなかったが、終盤に投入されるジョーカーとして期待されているのだろう。連勝スタートとなったアジア最終予選ホームでのオーストラリア戦では途中からピッチに立ち、相手のオウンゴールを誘発している。スピードはワールドクラスのものを持っており、上田、もしくは古橋が先発となり、終盤に浅野が投入されるゲームプランだと予想できる。

6月のテストゲームで良い結果を残すにも重要となる初戦のパラグアイ戦。アジア最終予選にはいなかったレベルの相手であり、日本代表が誇るストライカーがどこまで通用するのか注目だ。