■8月27日/明治安田生命J1第27節 川崎フロンターレ 2ー1 鹿島アントラーズ(等々力)

 優勝争いをかけた川崎と鹿島の上位対決。その勝負の行方を決定づけたのは、前半14分にMF脇坂泰斗が決めた直接フリーキックだった。

 ゴールの左斜め45度の位置で得た直接FKのチャンス。ボールをセットしたのは脇坂だ。キッカーは一人だけで、残りの選手はゴール前で合わせる準備をしていた。しかし、背番号14が選択したのは、ゴールを直接狙うキックだ。

 右足インサイドで蹴ったボールは、低い弾道でGKの方向へと向かう。相手DFがクリアしようとするが、ボールがバウンドしたこと、そしておそらくは上に来ると予測していたせいでうまくクリアできない。さらにボールは相手GKの前でもう一度バウンド。都合2回のバウンドをしたボールは、ゴールポストを叩きながらも、見事にゴールに吸い込まれたのだ。前半14分に背番号14が決めた、まさかの追加点だった。

 この直接FKは、SNS上で多くの驚きをもたらしている。
「シーズンofザフリーキックに選んでほしい。GK含めいろんなところを騙してる」
「オレはいままで見たことないゴール。すごっ!」
「素晴らしすぎる!!!」
「天才の一言」
「いや絶妙なゴロショット 上の意識になりやすいのを逆手に取った完璧なキックだ、うめぇ...」

■首位との勝点差を縮める白星

 この試合は前半8分に川崎が先制。家長昭博が自ら得たPKを決めていた。そのわずか6分後に脇坂が直接FKを沈めて2点リード。後半に1点を返されたものの、脇坂のゴールを決勝点として川崎が白星を掴んだ。

 序盤に2点を奪ったこともあってか終始、鹿島にボールを握られる展開となったが、5バックにシステムを変更するなど、勝利への強い気持ちを見せた試合となった。

 首位の横浜F・マリノスとの勝点差を「2」にまで縮め、逆転優勝を射程圏内とした。次戦は中3日で迎えるサガン鳥栖戦。首位奪還へ、背番号14はさらにゴールを狙う。