レアル・ソシエダに所属している日本代表MF久保建英が、18日に行われたラ・リーガ第6節エスパニョール戦の試合後会見に出席した。同会見のコメントをスペインメディア『マルカ』が伝えている。

 エスパニョールとの一戦にスタメンで出場した久保は、序盤から積極的な姿勢でチャンスを演出すると、17分には自身のプレスから相手GKのミスを誘発。左足でボールを引っ掛けて、ノルウェー代表FWアレクサンダー・セルロートの先制点をアシストした。久保はこの場面について、シーズン開幕前にも似たシチュエーションに遭遇していたことを明かしている。

「プレシーズンのアスレティック・ビルバオ戦でも同じような場面がありました。当時は上手くいきませんでしたが、そのことを思い出し、『ボールを取りに行かなければ』と頭に浮かびました。ピッチ上で倒れている時はレフェリーがPKをとったのかと思っていたので、キッカーを譲ってもらおうと考えていたのですが、選手たちがピッチの中央へ向かっているのを見て、ゴールだと気が付きました」

 この日の久保はセルロート、元スペイン代表MFダビド・シルバ、同MFブライス・メンデス、同MFミケル・メリーノらと見事な連携を見せ、自身も積極的にシュートを狙う姿勢が見て取れた。本拠地に駆けつけたファン・サポーターも同様の感想を持っており、82分に交代でピッチを後にした時には、大きな拍手が送られた。「本当に嬉しく、自信につながりました」と話す久保は、「監督、コーチングスタッフ、選手もそうですが、意見を発するのがファンだと思っています。サッカーはエンターテインメントで、ファンはお金を払って私たちのプレーを見に来てくれています。彼らが幸せであることは、僕らにとっても嬉しいことです」と続けた。

 2019-20シーズンからラ・リーガでのキャリアをスタートさせ、エスパニョール戦では記念すべき100試合出場を達成。これまではレアル・マドリードからのレンタル移籍という形でマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェでプレーしたが、今季からプレーするレアル・ソシエダへは完全移籍での加入となっている。新天地では見事に輝きを放っており、現時点では移籍の決断は“正解”だったと誰もが認めるだろう。

 久保自身も、今回の会見で移籍について悩んでいたことを明かしている。「自分に何が起こっているのか、自分の言葉でうまく説明できません。覚えているのは、プレシーズン中に滞在していたホテルで『もう次はないかもしれない。サッカー選手として飛躍する最後のチャンスになるかもしれない』と思っていたことです」と話した。「今のところは期待に応えられているつもりです」と続けており、現時点で移籍の決断がプラスに働いている実感もあるようだ。

 新天地に“ラ・レアル”を選んだ理由としては、「マドリードでこのクラブの会長と話す機会があり、『3年前から追いかけている』と言われました。それについては私も知っていましたが、その瞬間、自分を求めてくれているクラブ、そして自分を求めてくれる監督がいるラ・レアルを選ぶことにしたんです」と明かす。「すべては自分次第です。ここまではベストを尽くせています。とても居心地が良く、チームのやり方も、試合中に求められる役割も、とても気に入っています。本当に幸せです」と、ここまでの在籍期間で抱いたクラブへの愛情も伝えた。

 レアル・ソシエダを率いるイマノル・アルグアシル監督についてもコメント。「確かに大声は出しますが、練習前には全選手と握手し、練習後にはほぼ全員と会話します。それを見た選手は自信を持つことができるんです。たとえプレー時間が少なくとも、監督からの信頼が伝わります。自分の出番が来たら、監督のために全力を尽すだけです。確かに怒鳴るんですが、怒鳴らない時の方が何かを失っている感覚になります」と、信頼を口にしている。