フライブルクでは右ウイング、攻撃的MF、センターフォワードでプレー
森保一監督率いる日本代表は、3月24日のウルグアイ代表とのキリンチャレンジカップで、2026年のワールドカップ(W杯)北中米大会に向けて再スタートを切る。その最初の活動に招集されたドイツ1部フライブルクのMF堂安律は、新たな船出を前に初心に戻ろうとしたと明かした。
昨年のカタールW杯では、ドイツ代表戦(2-1)、スペイン代表戦(2-1)でゴールを挙げ、グループリーグ首位通過の立役者となった堂安には、再始動するチームを引っ張っていく存在としての期待も懸かる。
だが、3月21日の練習後に取材に応じた堂安は、若い選手が多く招集された今回の代表について「新鮮な気持ちで来た」と言い、「自分も来る飛行機の中から、20歳で初めて選ばれた時の気持ちで行こう。初心に戻って行こうという気持ちできた。コーチ陣にも、すごく経験のある人たちが来てくれたので、いろいろと学べると思うし、ゼロからの気持ちでこのスタートラインに立っている」と、心境を明かした。
初心に戻ることを決めたのは、自身の性格が大きいと言う。
「調子に乗りやすい性格なので(笑)。それを遮ろうと、ゼロからの、という意識をしている。また明日からは全員で練習できると思うので、トレーニングで自分が一番と見せられるようにギラギラしてやりたい」
カタールW杯後は、所属するフライブルクでも右ウイングだけでなく、攻撃的MFやセンターフォワードとしてもプレーしてきた。そのことについて「(プレーの幅が)広がったという表現がいいと思う。『これのほうが良い』というより、『これもある』というような。ホッフェンハイム戦のようなクロスからのゴールは、今までもトレーニングしていたけど試合で見せられていなかった。でも、常にワンタッチゴールは意識しているし、そういうのが増えれば2桁も見える」と、充実ぶりを語った。
日本代表でも、この万能性は生かせそうだ。代表でのポジションについて問われると「システム次第だと思う」と言い、「今日は全体で戦術練習もしていないので分からないけど、全体練習をしたら分かると思う。今までやってきたものなら右サイドハーフで勝負したい」と、MF伊東純也(スタッド・ランス)やMF久保建英(レアル・ソシエダ)とのポジション争いにも闘志を燃やした。
こうした競争は、日本代表を大きく活性化させるはず。W杯で結果を出した自信を胸に、初心に戻ってギラギラと燃え滾る堂安のキリンチャレンジカップでのパフォーマンスは大いに注目に値する。(河合 拓 / Taku Kawai)