FIFAワールドカップ・カタール大会出場を決めたエクアドル代表は、依然としてDFバイロン・カスティージョ(23)の国籍詐称疑惑で揺れている。カスティージョは先月27日のキリンチャレンジカップ・日本代表戦でフル出場しているが、同選手の疑惑を巡って新たな動きがあったようだ。9月30日、ペルー紙『エル・コメルシオ』など複数メディアが報じている。
カスティージョは昨年9月2日のW杯南米予選・パラグアイ戦でエクアドル代表デビュー。W杯南米予選では8試合に出場したが、1995年7月25日に隣国コロンビアで生まれ、3年後にエクアドルで登録されたという調書が発覚していた。
この問題を巡っては、チリサッカー連盟(FFC)がエクアドル代表のW杯出場権はく奪を求めて国際サッカー連盟(FIFA)に提訴。しかしFIFAは今年6月に「エクアドル代表に不正はなかった」として調査の終了を発表。FFCの訴えを棄却していたが、今年7月末にFFCによる上訴が報じられていた。
また先月には英メディア『デイリーメール』などが2018年時の同選手に対する取り調べの録音音声を公開。国籍証明書や出生証明書が偽造されたものだと伝えており、エクアドル代表にW杯追放処分の可能性が再び取りざたされている。
一方、カスティージョは先月24日の国際親善試合・サウジアラビア戦で途中出場したほか、27日の日本戦では右サイドバックでフル出場。MF三笘薫(25)のドリブル突破を封じるなど、好パフォーマンスを発揮していた。
そんな中『エル・コメルシオ』の報道によると、スポーツ仲裁裁判所(CAS)はペルーサッカー連盟(FPF)とチリサッカー連盟(FFC)からの提訴を受理したとのこと。両国サッカー連盟ともに、カタールW杯からのエクアドル代表除外や自国代表の代替出場を求めているという。
なおエクアドル代表はカタールW杯南米予選を4位で終了。チリ代表やコロンビア代表、ペルー代表などとの争いを制して、W杯本大会出場権を獲得していた。
またペルー代表は南米予選を5位で終えると、大陸間プレーオフでオーストラリア代表に敗北。チリ代表は7位で終えたものの、カスティージョの出場した8試合でエクアドル代表の不戦敗、勝ち点没収の場合に4位へ浮上する。