11月20日に開幕を迎える、2022FIFAワールドカップ・カタール(カタールW杯)。出場32ヵ国は本大会に向けたメンバー発表を控え、選手たちのテストマッチや所属クラブでのアピールは最終局面を迎えている。
サッカーという簡単には得点が生まれないスポーツにおいて、前線の選手はもちろん、その他のポジションでも得点に絡むことは大きなアピールとなる。特にサッカー界でも最大のイベントの1つでもあるW杯では、タイトルの格式も相まって得点の価値は高い。
ここではメンバー発表前ではあるが、カタールW杯での得点力に期待がかかる選手たちを、グループ(A〜H)ごとに紹介していく。
グループA:メンフィス・デパイ(オランダ)
現在所属のバルセロナを含む、欧州各国の名門クラブを渡り歩いてきたオランダ代表FWメンフィス・デパイ。今2022-23シーズンは、ロベルト・レバンドフスキの加入もありバルセロナでの出場機会減少も予想されたが、コンスタントに出場機会は確保しており得点も挙げている。
オランダ代表ではW杯欧州予選で12ゴールと躍動し、自国を2大会ぶりの本大会出場に導く原動力となった。年齢的にも28歳と脂の乗っているデパイ。直前となる9月の怪我の影響が心配だが、守備陣を牽引する選手もいる今、カタールでもデパイのゴールがオランダの浮沈を決めると言っても過言ではない。
グループB:ハリー・ケイン(イングランド)
前回大会(2018ロシアW杯)の得点王であるイングランド代表FWハリー・ケイン。以降も今日に至るまで前線での活躍は健在だ。所属先のトッテナム・ホットスパーでの昨2021/22シーズンは、ソン・フンミンとのコンビでゴールとアシストを量産。相互アシストでのリーグ最多記録を樹立し、自身も17ゴールを挙げて得点ランキング4位となっている。
イングランド代表においてもその存在感はもはや替えの効かないものであり、当然カタールW杯にて2大会連続の得点王にも期待がかかる。
グループC:ロベルト・レバンドフスキ(ポーランド)
今2022/23シーズンより、バルセロナへ活躍の場を移したポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキ。移籍初年度にも関わらずここまで9ゴールと一切期待を裏切らない活躍を見せている。
過去の実績から、現役選手の中でも「得点王」というタイトルが最も似合う選手でもあるレバンドフスキ。カタールW杯のグループリーグ内にはアルゼンチンを筆頭に難敵が多いが、年齢的にも34歳と今大会にかける思いは大きいだろう。W杯という大舞台でも、その得点力が見られるのか大いに注目だ。
グループD:カリム・ベンゼマ(フランス)
一時は代表を追放されていた経歴を持つフランス代表FWカリム・ベンゼマ。2021年に代表へ復帰して以降、UEFAネーションズリーグ決勝のゴールなど結果を残し、王者フランスの前線にさらなる火力を与えている。
所属先のレアル・マドリードでも、昨2021/22シーズンはラ・リーガとチャンピオンズリーグ(CL)で得点王を獲得するなど充実のものとなっていた。今季も着実に得点を重ねていたが、9月のCLで負傷。カタール大会への影響も心配されるが、無事復帰すれば代表を離れていた約5年間の分もゴールという結果での活躍が期待される。
グループE:トーマス・ミュラー(ドイツ)
南アフリカW杯(2010年)では得点王、ブラジルW杯(2014年)でも5得点を挙げるなど、W杯という大舞台で輝きを放ってきたドイツ代表FWトーマス・ミュラー。前回大会(2018ロシアW杯)は無得点で終わってしまっただけに、雪辱に燃えていることだろう。
一方でロシア大会以降は代表から離れた期間もあり、国際Aマッチでの得点は減少傾向にある。しかし、相性のいいW杯という舞台であることに加え、所属先のバイエルンでは安定した活躍を見せていることから、やはり期待が集まることも事実だ。
グループF:ロメル・ルカク(ベルギー)
ベルギー代表の最多得点記録保持者であるFWロメル・ルカク。前回大会(2018ロシアW杯)では4得点1アシストで3位に貢献し、自身もブロンズブーツを受賞している。今2022/23シーズンはレンタル移籍でインテルへ復帰。初戦からゴールをマークするなど、W杯イヤーは快調な滑り出しとなっていた。しかし、8月には怪我が報じられ復帰が待たれる状況だ。
エデン・アザールやケビン・デ・ブライネらいわゆる「黄金世代」が円熟期を迎えて挑むベルギー。その一角を担ってきたルカクの復帰と復調がもたらすゴールこそが、W杯過去最高順位への足掛かりとなるだろう。
グループG:リシャルリソン(ブラジル)
ブラジル代表内でもマテウス・クーニャやガブリエウ・ジェススら、実力者との激しいポジション争いを繰り広げているFWリシャルリソン。そんな中でも6月(韓国・日本戦)と9月(ガーナ・チュニジア戦)での起用に加え、4試合で4得点をマークしたことからも一歩リードしたと言えるだろう。
一方で懸念があるとすれば所属クラブでの活躍度合いだ。今2022/23シーズンより、エバートンからトットナムへ移籍。ここでもソン・フンミン(韓国)らとのポジション争いがあり、緊張感のあるシーズンを送っている。カタールへ向けクラブでの出場機会の確保と好調維持が、代表でのポジションをより確かなものとしていくだろう。
グループH:クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)
37歳と大ベテランの域に達したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド。代表内では実績もさることながら、実力でもまだまだ他者を寄せ付けないのが事実だ。
カタールW杯グループHにはルイス・スアレス(ウルグアイ)をはじめ、エディソン・カバーニ(ウルグアイ)やソン・フンミン(韓国)など、ワールドクラスのストライカーが出揃うこととなるだろう。グループリーグでの点取り合戦も大いに楽しみだが、その中心には長年サッカー界を牽引してきたロナウドに居てほしいと願うサッカーファンは、まだまだ多いのではないだろうか。