過密日程の影響か筋肉系の故障が多い
ワールドカップ出場国の監督たちは何事もなくワールドカップ開幕を迎えたいと毎日祈っていることだろう。欧州の各リーグも序盤戦を消化し、故障する者が続出してきたのだ。
過密日程やゲーム強度が影響しているのか、筋肉系の故障が目立つ。試合中にピッチへ座り込む選手も多く、そのたびに各国の代表監督は冷や汗をかいているはずだ。
例えばイングランド代表ではタレント豊富と考えられてきた右サイドバックでカイル・ウォーカー、リース・ジェイムズが離脱しており、ワールドカップに間に合うか分からない。一気に層が薄くなった印象があり、イングランド国内ではキーラン・トリッピアーを推す声もある。
日本が対戦するドイツ代表ではバイエルン所属のFWレロイ・サネがハムストリングを傷めてしまい、間に合うか微妙なところだという。FWトーマス・ミュラーも背中を痛めてしまい、ドイツの前線がベストメンバーを揃えられない可能性がある。
バイエルンではフランス代表DFリュカ・エルナンデスも離脱しており、本番までにコンディションが整うか不透明だ。
フランスではMFエンゴロ・カンテの欠場もほぼ確実となり、相棒のMFポール・ポグバも離脱が続いている。
クロアチア代表ではMFマルセロ・ブロゾビッチがハムストリングを痛め、アルゼンチン代表ではMFアンヘル・ディ・マリアと好調を維持していたFWパウロ・ディバラが離脱中だ。ディ・マリアはワールドカップまでには間に合うと見られているが、ディバラの方は復帰まで1カ月半近くかかる恐れがあるという。そうなれば出場は絶望的だ。
ディバラと同じローマでは、オランダ代表MFジョルジニオ・ワイナルドゥムも負傷離脱中だ。昨夏のEURO2020までは絶対の主力だっただけに、パリ・サンジェルマン移籍からすべての歯車が狂ってしまった印象を受ける。
得点力不足に悩むメキシコ代表では、前線の柱となってほしいFWラウール・ヒメネスが離脱中だ。今季途中に一度復帰を果たしたのだが、再度離脱してしまった。
国内リーグに加えてチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグが始まり、欧州の各代表チームはネーションズリーグもあった。チャンピオンズリーグも毎週のように行われる過密日程となっており、選手たちの肉体に大きな負担がかかっているのは明らかだ。
当初はシーズン途中のワールドカップ開催に関してコンディションを整えやすいのではなんて前向きな意見もあったが、最近は負傷離脱が続いている。ベストメンバーを揃えられない国が増える可能性があり、代表監督たちは別プランの用意を迫られている。