バルセロナではイニエスタが着けた8番を継承

スペインの若き司令塔・ペドリことペドロ・ゴンサレス・ロペスは、現在FCバルセロナの背番号8番を背負っている。ポジションは攻撃的ミッドフィルダーだ。カナリア諸島のテグステに生まれ、地元のアマチュアクラブのUDテグステでサッカーを始めた。 

ラス・パルマスの下部組織で1シーズンプレーした後、16歳ながらにクラブと4年間のプロ契約を結び、2019年のプレシーズンに帯同。そこで活躍を示したことで、2019-2020シーズンからトップチームに昇格することが決まった。

シーズン開幕戦となった8月18日のSDウエスカ戦にて先発出場を果たすと、9月19日、スポルティング・デ・ヒホンとのリーグ戦にてプロ初ゴールを挙げる。このゴールで、ペドリはクラブ史上最年少得点記録保持者となった。

2019年9月2日、バルセロナに2020年7月1日から2022年6月までの2年契約で移籍加入することが発表された。すると開幕戦のビジャレアル戦でデビューを果たし、10月18日のヘタフェ戦では初となる先発起用される。10月21日のチャンピオンズリーグ、フェレンツヴァーロシュ戦ではクラブ史上3番目の若さでCL初得点を記録した。

2021年10月14日、バルセロナと2026年まで契約を延長したことを発表。同年11月には、ゴールデンボーイ賞とコパ・トロフィーの2つ賞を受賞した。

2022年7月9日、バルセロナはペドリが2022-23シーズンから8番を着用することを発表した。8番はクラブのレジェンドであるアンドレス・イニエスタが着用していた番号だ。

攻撃センスだけではなく、守備でもチームに貢献できる

ペドリは中盤のポジションであればどこでもこなすことができる器用さがある。パス、シュート、動き出し、さらには守備といった全てをハイレベルでこなすことができるミッドフィルダーだ。

常に相手を認知し、相手が嫌なところにポジションを取り、精度の高いボールを味方に配給することが得意。とれそうで取れないところにボールを置いてドリブルやパスでゴールチャンスを演出する。

狭いスペースでも巧みなボールコントロールで相手選手をかわすことができ、ボールを受けてからのターンは一級品だ。スピードもあるため、カウンター攻撃の際には素早いドリブルでボールを運び、チャンスを作る。複数人を引きつけてからパスを出すことができるのも持ち味の一つだ。

テクニックも兼ね備えており、個の力で相手をかわして前にボールを運ぶこともできる。バルセロナに加入した当初は、低い位置での組み立てに参加することが多かったが、チャビ監督が就任後はライン間でボールを引き出し、味方への決定的なラストパスや自分でシュートを打つなど、よりゴールに直結する位置でプレーするように変化した。

パサーやゲームメーカーの選手というのは、守備や運動量が低いイメージがあるが、ペドリはボールを奪われた後、素早く相手に寄せてボールを即時回収し、味方がカウンターを受けている場面ではフルスプリントで自陣に戻ることができる。攻撃的な選手にも関わらず、豊富な運動量を生かし、守備でも抜群の存在感を発揮するプレイヤーだ。

10代ながらスペイン代表に定着

2019年から各年代のスペイン代表で主軸として活躍してきた。2021年3月、 FIFAワールドカップカタール2022の欧州予選を戦うフル代表に18歳で初招集された。25日のギリシャ代表戦で、スペイン代表史上6番目の若さとなる18歳と120日で代表デビューを果たす。

UEFA EURO 2020では、スペイン代表の歴史において最年少出場記録を更新するばかりではなく、全試合にスタメン出場し、若手最優秀選手にも選ばれた。

その後はスペイン代表に定着し、2021年には東京オリンピックにも出場して準優勝に貢献した。 FIFAワールドカップカタール2022欧州予選でもチームの本大会出場に貢献し、W杯での活躍が期待される。

UEFA EURO 2020セミファイナルでイタリアに敗れた直後、スペイン代表のルイス・エンリケ監督が「どんな大会でも、18歳の若者があんなプレーをすることを見たことがない」と称賛したことからも、現在のスペイン代表においてペドリがいかに重要な存在かがわかる。

自身初となる今回のワールドカップで、スペインが2010年以来の優勝を果たすためにペドリの活躍は不可欠だろう。今大会、スペインの若き天才のプレーから目が話せない。

文・渡邉知晃

写真:アフロ