バルセロナの次世代を担う選手の一人

スペイン代表のガビことパブロ・マルティ・パエス・ガビラはスペインのアンダルシア州セビリア県ロス・パラシオス・イ・ビジャフランカ出身でFCバルセロナに所属している。ポジションはミッドフィルダーで背番号は30番だ。

地元のクラブチームであるリアラ・バロンピエでサッカーを始め、2013年にレアル・ベティスのカンテラに移籍。そこで見せた活躍を評価されて、2015年にはFCバルセロナの下部組織である「ラ・マシア」に入団した。

2021-22シーズン前にトップチームに帯同して、プレシーズンマッチに出場。そこで当時の指揮官であるロナルド・クーマン監督の信頼をつかみ、2021年8月29日、第2節のヘタフェ戦でトップチームデビューを果たした。

12月18日に行われた第18節のエルチェCF戦では初ゴールを決め、2022年8月28日に行われた第3節のレアル・バリャドリード戦では、2003年以降に生まれた選手としては史上初となるリーグ戦通算50試合出場を達成した。

2022年9月14日に、バルセロナと2026年まで契約を延長したことが発表され、同年には、21歳以下の最優秀選手に贈られる賞であるコパ・トロフィーを受賞した。

中盤ならどこでもこなせるユーティリティさが持ち味

バルセロナのレジェンドであるチャビの後継者と言われるガビ。パスセンスや予測力に優れ、闘争心も持っている。さらに中盤であればどのようなタスクもこなせる、ユーティリティさを兼ね備えている点も魅力だ。

決定的なスルーパスを送ることもできるため、中央での試合の組み立てもできるが、シュートセンスも高くウイングやセカンドトップなどゴールに近いポジションでプレーすることもできる。

周りをよく見ているため、自分がどこのポジションに入れば相手が嫌がるかの判断に優れ、自らがスペースに動く場合もあるが、仲間のためにスペースを空ける動きもするも可能だ。

予測力についてはポジショニングの良さと言い換えることもできる。ガビは周りのスペースを見渡して相手のマークに引っかからないパスコースを見つけることができ、プレスをかわしていくことができる。また、ディフェンスでも最後まで諦めずにピッチ全体でハードワークして、相手のチャンスになりそうな場面ではゴール前までプレスバックしてチームを救う守備を見せる。

スペイン代表の最年少得点を記録

スペイン代表に各世代で選出されていたガビは、2021年9月30日にUEFAネーションズリーグに出場するフル代表に初招集された。バルセロナのトップチームにデビューしてからわずか7試合出場後に、U-21代表を飛び越えての選出だった。主に、インサイドハーフでプレーしている。

スペイン代表を率いるルイス・エンリケ監督が「バルセロナでプレーしているときは守備的な選手だと思われているが、そんなものには止まらない。ボールを持った時のガビはスペインでは未知の存在だ」と語り、高く評価している。

その言葉通り2021年10月6日、UEFAネーションズリーグ・準決勝のイタリア戦で先発として起用。17歳62日の当時最年少デビューを果たすと、決勝のフランス戦でも先発で出場した。

それ以降、定期的にフル代表に招集されており、10試合のうち8試合で先発出場を果たすなどすでにチームの主軸選手としてプレー。2022年6月5日、UEFAネーションズリーグのチェコ戦では代表初得点をあげ、この得点がスペイン代表の最年少得点となった。

スペイン代表に定着してきたガビが。同じくバルセロナやスペイン代表で共闘するペドリと共に、期待の若手選手の一人であることは間違いない。W杯の舞台で結果を残し、自身の存在感を示すことができるのか注目したい。

文・渡邉知晃

写真:アフロ