ワールドカップ・カタール大会の開幕まで3週間を切り、世界中で“ワールドカップ熱”が高まり始めている。

 今大会は、初めての中東開催にして、初めての冬期(11~12月)開催という異例続き。それに加えて、開催国のカタールは初めてのワールドカップ出場となる。第3回以降のワールドカップで、開催国が初出場となるのも今回が初めて。そして、開催国以外に初出場チームがいないのも、ワールドカップの歴史において初めてのことだ!

そのため、大半のチームは何となく見覚えがあるかもしれないが、大会前に彼らの“ニックネーム”を確認しておこう。ライオンもいれば、ワシもいるし、カンガルーまでいる。それでは全32チームの愛称を2回に分けて紹介しよう。今回はグループAからグループDの「16チーム」を見ていこう。

■グループA
▼ カタール代表

愛称=アランナービ(マルーン色)
国旗に使われている「アランナービ(マルーン色)」は代表チームのユニフォームカラーともなっており、それがチームの愛称。あまり聞きなれない「マルーン色」は、フランス語のマロン(栗)が由来だが、私たちが知る「栗色」とは違う。

▼ エクアドル代表

愛称=ラ・トリ(またはラ・トリコロール)
エクアドルの国旗(三色旗)から「3つの色」を意味する「トリコロール」が愛称になっている。一般的には「ラ・トリ」と呼ばれることが多く、エクアドルサッカー連盟のホームページでも代表チームは「ラ・トリ」として紹介されている。

▼ セネガル代表

愛称=リオン・ドゥ・ラ・テランガ
フランス語で「テランガのライオン」の意。アフリカ勢は“ライオン”と名付けられることが多く、セネガルも例外ではない。国獣のライオンは、サッカー協会のエンブレムにも描かれているのだ。ちなみに「テランガ」というのは、セネガルの主要民族であるウォロフ族の言葉で「歓迎」「真心」を意味するそうだ。単純に「ル・リオン(ライオン)」と呼ばれることもある。

▼ オランダ代表

愛称=オランイェ
オレンジは、オランダ王家のオラニエ家を象徴するカラーで、オランダ語でオレンジ色を意味する「オランイェ」が代表チームの愛称となっている。ちなみに「オランイェ(Oranje)」には「オレンジ色」という意味しかなく、「オレンジ軍団」と呼び方は日本独自のものだ。

■グループB
▼ イングランド代表

愛称=ザ・スリー・ライオンズ
イングランドサッカー協会のエンブレムに描かれている3頭のライオンが由来。「3頭のライオン」は、古くは12世紀頃から英国軍の紋章として使用されてきたという。

▼ イラン代表

愛称=ティームメリ
これはペルシャ語で「ナショナルチーム」を意味する。

▼ アメリカ代表

愛称=スター・アンド・ストライプス
アメリカの星条旗から「星とストライプ」というオーソドックスな愛称が付けられている。それから米国メディアの記事ではアメリカ代表を「USMNT」と記すことがあるが、これは「USメンズ・ナショナル・チーム」の略。女子代表は「USWNT(USウィメンズ・ナショナル・チーム)」となる。

▼ ウェールズ代表

愛称=ザ・ドラゴンズ
国旗に描かれている赤いドラゴンが、ウェールズ代表の愛称となっている。古代の英国がブリタニアと呼ばれていた時代にローマ帝国の支配下にあり、当時のローマ軍が使用していた軍旗に描かれていたトビトカゲが由来であるそうだ。ちなみにウェールズ語でドラゴンは「ドライグ」、ドラゴンズは「ドレイギアウ」と発音される。

■グループC
▼ アルゼンチン代表

愛称=ラ・アルビセレステ
これはスペイン語で「白と水色」を意味し、アルゼンチンの国旗の色、そしてユニフォームカラーを表している。

▼ サウジアラビア代表

愛称=アッソクール・アルハドル
アラビア語で「緑のファルコン」を意味する。国旗の「緑」と、国鳥である「ファルコン(はやぶさ)」が由来となっている。

▼ メキシコ代表

愛称=エル・トリ
「三色」の意味。エクアドルと同じように国の三色旗が由来だ。

▼ ポーランド代表

愛称=ビアウォ・チェルヴォーニ
ポーランド語でビアウォは「白」、チェルヴォーニは「赤」を意味する。もちろん紅白の国旗が由来である。その他にも、エンブレムに描かれた国鳥の「ワシ」の愛称で呼ばれることもある。

■グループD

▼ フランス代表

愛称=レ・ブルー
フランス代表もユニフォームの色がニックネームの由来となっており、フランス語で「青」を意味する「レ・ブルー」の愛称で親しまれている。また、三色旗の国旗にちなんで、三色を意味する「レ・トリコロー」と呼ばれることもある。

▼ オーストラリア代表

愛称=サッカルーズ
エミューと共に国章に描かれている「カンガルー」と「サッカー」を組み合わせた造語。ちなみにU-20代表の愛称は「ヤング・カンガルーズ」。U-17代表は、カンガルーの子供を意味する「ジョーイ」から「ジョーイズ」と呼ばれる。

▼ デンマーク代表

愛称=ダニッシュ・ダイナマイト
EURO1984に向けてデンマーク国内で制作されたテーマソング(ラップ)の歌詞に、「We are red, we are white, we are Danish Dynamite」というフレーズがあり、それが愛称として定着したそうだ。

▼ チュニジア代表

愛称=ヌソール・カルタージュ
アラビア語で「カルタゴのワシ」という意味がある。「カルタゴ」とは現在の北アフリカを中心に栄えた紀元前のアフリカ国家。ワシは代表チームのエンブレムにもあしらわれている。ちなみにチュニジアの国鳥には「スナバシリ」という鳥もいるそうだが、それだと少し弱そうだよね。