FIFAワールドカップカタール2022を控える韓国代表に衝撃のニュースが走った。ソン・フンミンが左目周辺を骨折する怪我を負い、手術を余儀なくされることになったのだ。
W杯出場可否はまだ明らかにされていないとはいえ、キャプテンとして精神的支柱の役割も担う絶対的エースが欠場となれば、韓国代表にとって大きな痛手となることは間違いない。
そんななか、韓国では代表チームを取り巻く“魔のジンクス”が再来したと嘆かれていることをご存じだろうか。というのも、韓国代表は大会前に主力が負傷離脱するケースが毎回のW杯で繰り返されてきたのだ。
まず、遡ること24年前の1998年フランス大会では、かつてセレッソ大阪、柏レイソルで活躍したファン・ソンホンが悲運に見舞われた。当時の代表でエースストライカーを務めたファン・ソンホンは、開幕約1週間前に行われた中国代表との親善試合で右膝十字靭帯を損傷。最終メンバーには含まれたものの本大会では出場なしに終わった。
以降も、2006年ドイツ大会ではイ・ドングッが右膝十字靭帯断裂の重傷で選外に。2010年南アフリカ大会では、元京都サンガF.C.のカク・テヒが大会直前のベラルーシ代表戦で左膝内側靭帯を損傷し、離脱を強いられた。
2014年ブラジル大会では、当時アルビレックス新潟所属のキム・ジンスが一度は最終メンバーに選ばれるも右足首負傷で離脱。キム・ジンスは続く2018年ロシア大会でも開幕3カ月前に左膝靭帯を損傷し、2大会連続でW杯出場を逃している。
ロシア大会はキム・ジンスだけでなく、元ジュビロ磐田、ガンバ大阪のイ・グノが右膝内側靭帯断裂、キム・ミンジェが脛骨骨折、ホン・ジョンホがハムストリング損傷、ヨム・ギフンが肋骨骨折、クォン・チャンフンがアキレス腱断裂でメンバーを外れた。当時の韓国代表と言えばドイツ代表相手の金星が思い浮かぶサッカーファンも多いだろうが、その裏では負傷者続出による非常事態に陥っていたのだ。
そして今回、最も恐れていた「ソン・フンミン負傷」が現実となってしまった韓国代表。はたしてカタール大会でも“魔のジンクス”に泣かされてしまうのか、これ以上の負傷者が出ないことを願うばかりだ。
文=ピッチコミュニケーションズ